シャドウ

監督:デレク・ワン

脚本:マイケル・ジンゴールド

出演:トニー・トッド、カーラ・グリーン、
エリン・ブラウン、マイケル・クインラン

ストーリー

 22件の殺人の罪でエリスダム刑務所に収監されていた死刑囚エドワード・マーキー、通称“シャドウ”に刑が執行された。死者の血を飲んだと噂されていた彼には、不可思議な力が備わっていたのだろうか。シャドウの死と共に、刑務所内のいたるところから血が溢れ出し、監房のロックが全て解除されるという異常事態が発生。解き放たれた囚人たちによる暴動が巻き起こり、看守にも囚人にも多数の死者が出る惨事となった。しかし、遺体は秘密裏に所定の庭に埋められ、事件は闇に葬られたのだった。20年後、エリスダム刑務所はグレン女子更生施設として生まれ変わっていた。そこに“一匹狼=ソリテア”とあだ名される、新たな入所者が。入所早々、所内の暴君的存在モンドらとトラブルになったソリテアは、懲罰房行きを命じられる。そこで彼女は、床に刻まれた謎の紋章を発見する…。

レビュー

 「ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド 死霊創世紀」で主人公ベン役を演じたトニー・トッド、「ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド」のファーストゾンビとして名を馳せたビル・ハインツマン、そして「サンゲリア」の汚らしいデブゾンビ役で観客を心の底から不愉快にさせたキャプテン・ハガティらが誰も望んでいないのに夢の競演を果たしたゾンビ版「アベンジャーズ」のような映画。何でトム・サビーニが居ないんだ!と不満に思う人も居るかもしれないが、「アベンジャーズ」にもウルヴァリンは登場していないのでどうか大目に見て欲しい。

 ドキッ!黒人だらけの女囚アクション映画!ゾンビもあるよ!という闇鍋状態の映画であるが、それぞれの要素が中途半端にならず、女囚ものとしてもゾンビものとしても存分に楽しませてくれる上におっぱいもいっぱいなサービス精神旺盛な作品となっている。処刑された連続殺人鬼がゾンビの親玉として復活するシナリオは悪名高い「チルドレン・オブ・ザ・デッド」に酷似しているが、あの映画と違ってクライマックスにヒロインと親玉ゾンビのカンフーバトルを展開してくれるのが実に素晴らしい。本作の目玉であるハインツマンとハガティも当時のままのゾンビメイクで登場してくれるので、製作者はゾンビ映画ファンのツボを心得ているといえる。

 ゾンビと化した赤ん坊に授乳しようとしたら乳首を食いちぎられて胸から血糊と母乳をまき散らして死んでいくキャラがいたり、ナイフを突き刺した脳天から噴き出る鮮血を美味そうにチューチュー吸うトニー・トッドなど、一風変わった残虐シーンが多いのも特徴で、低予算の割には最初から最後まで退屈せずに見れる濃密な作品だ。尚、ビル・ハインツマンは2012年の2月に癌で他界しており、本作は彼が最後にゾンビ役を演じた作品である…と勝手に思っていたが、実は亡くなる1年前に「MIMESIS」という日本未公開のカナダ映画でもゾンビを演じていたらしい。享年75歳。「フレッシュイーター」でファンをも呆れさせた筋金入りの生涯ゾンビ役俳優は、今も墓の下で復活の時を待っているに違いない。

 

トニー・トッドはゾンビの親玉として登場

 

ナイトの墓場ゾンビとサングのデブゾンビが夢の共演!

 

 

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