サバイバル・オブ・ザ・デッド

監督:ジョージ・A・ロメロ

脚本:ジョージ・A・ロメロ 

出演:アラン・ヴァン・スプラング、ケネス・ウェルシュ、
リチャード・フィッツパトリック、キャスリーン・マンロー

ストーリー

 ある年の10月、突如として死者が蘇り、人々を襲い始めたという衝撃的ニュースが駆け巡った。それから4週間あまりが経ち、世界はまさに地獄と化していた。元州兵のサージも秩序を失い崩壊した軍隊を離れ、強盗を繰り返しながら安全な場所を探し求めていた。そんな自分と世界に嫌気がさしていたサージに信じられない情報が舞い込んで来る。デラウェア沖に安全な島があるという。サージたちは疑いつつも、どこにも希望を見出せない今、わずかな望みをかけてその島へ向かうことにする。命からがら島へ辿り着いた彼らを待ち受けていたのは、島民からの襲撃と進化を遂げつつある死者の群れだった…。

レビュー

 ロメロのゾンビ黙示録はまだまだ終わらない!今回はシリーズ初となる直接的な続編で、「ダイアリー・オブ・ザ・デッド」の学生達から物資を強奪してヒャッホーしていたバカ軍人が主人公である(前作の映像も回想シーンとして流れるロメロらしからぬ親切設計)。この軍人、実は「ランド・オブ・ザ・デッド」にもブルーベイカーという名の端役で登場しており、そこから作品世界の繋がりをアレコレと妄想出来るのも面白い。

 今回の舞台となるのは牧歌的な雰囲気の漂う孤島。こんな島にはゾンビなんかよりもバンビが似合いそうなものだが、死体甦り現象は平和な島をも侵食する。それだけではなく、ゾンビなんて皆殺し!の思想を持つ保守派のジジイとゾンビを飼いならせばみんな幸せ!のフランケン博士スピリッツを継承した革新派のジジイが対立しているという始末。そんな面倒臭い島にノコノコ騙されてやってきた軍人グループの戦いが物語の主軸となり、内容的に大人しかった前作が「ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド」だとしたら、ゾンビとの戦闘が作品随所にある本作は「ゾンビ」のテイストに近く、クライマックスでは「死霊のえじき」のローズ大尉のビックリ解体ショーを彷彿とさせるゲロゲロな人体引き裂きもあり、内臓のチラ見せすらも無い昨今のブッたるんだゾンビ映画に不満を感じていたゾンビフリークらも満足出来ることであろう。

 消火器の泡でゾンビの頭部を内部破壊したり、信号銃をゾンビにぶっ放してタバコの火種にしたりと、相変わらずロメロ御大の四次元ポケット級の引き出しの多さに感心する反面、登場人物らのキャラ付けがあまりに弱く、双子のヒロインや女兵士のレズビアン設定が脚本に全く活かされていないところに、ロメロの不器用さが窺える。もはや生きている人間には興味が無い、ということなのかもしれないが、次回作では「ゾンビ」のピーターみたいな記憶に残るヒーローが登場してくれることを密かにお祈りしています。

 

斬新すぎる消火器の使い方 

 

この美しくも儚いラストシーンを見よ!

 

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