呪怨 監督:落合正幸 脚本:落合正幸、一瀬隆重 出演:佐々木希、トリンドル玲奈、 ストーリー 小学校3年生の学級担任を急きょ務めることになった結衣は、不登校を続けている生徒・佐伯俊雄の自宅を訪問した。 レビュー 「呪怨 白い老女」「呪怨 黒い少女」と同様、シリーズ生みの親である清水崇は原案・監修に退き、別監督によって新たに生み出された「呪怨」シリーズの最新作。今回の監督は「世にも奇妙な物語」で「急患」「雪山」などのパンチの利いたトラウマエピソードを送り出す一方、「感染」以外の長編映画はすこぶる微妙な落合正幸。しかし、心理的な恐怖の演出と緑の粘液描写には定評のある監督なので、それがいかに「呪怨」とマッチするのかと公開前には大いに期待させられたが、いざ出来上がった作品は清水崇の「呪怨」をコピーしただけの代物で、上映中はひたすら「これ、確か前にも見たよな…?」という既視感のスパイラルが怒濤の勢いで襲い掛かってくる恐るべき映画であった。 それでなくとも「呪怨」ファンは「これ、確か前にも見たよな…?」をゲンナリするほど味わってきている筈。「呪怨 OV版」で見た映像を「呪怨2 OV版」の前半30分で見せられ、「呪怨 劇場版」で「呪怨 OV版」「呪怨2 OV版」と似たりよったりの話を見せられ、ハリウッドリメイクの「THE JUON」で「呪怨 OV版」「呪怨 劇場版」と似たりよったりの話を見せられ、「呪怨 パンデミック」で「呪怨2 OV版」のフライパンネタと「呪怨 劇場版」と似たりよったりの女子高生肝試しを見せられ、今回でまた「呪怨 OV版」「呪怨 劇場版」と似たりよったりの話を見せられるのだからもうマジで勘弁してほしい。見ているこちらも「どうせまた布団の中に居るんでしょ?」とか「今回コイツの顎がもぎ取られるんだな」と容易に次の展開が予想出来てしまい、もはやハラハラ感なんてものは微塵もない。いい加減、女子高生が呪いの家に肝試しに行く展開は見飽きたよ! 中には、「どうせシャワー中に頭掴まれるんでしょ…って何も無いのかよ!」とか「はいはい、いつもの階段落ちね…って上るのか!」みたいなオリジナルファンの裏をかく展開も存在するし、佐伯家の設定を根本から変えるという大胆な試みもあるにはあるが、基本的にはもはや何度目かも分からない焼き直しを延々と見せられる内容である。せっかく「呪怨 白い老女」と「呪怨 黒い少女」でシリーズの新機軸を打ち出したのに、結局いつものブリーフ少年御一行様が理不尽に襲ってくる話に戻ってしまったのが残念でならない。ただ、初めてシリーズに触れる人にはその辺のデジャブは全く気にならないと思うし、「呪怨 劇場版」ほど時間軸が捻れたストーリーでもないので「呪怨」入門編として鑑賞するのには悪くない映画なのかもしれない。だったらハリウッド版を見た方が遙かに良いけどな! |
もはや見飽きた布団のシーン
女子高生がゾンビになる展開も飽きたよ! |
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