呪怨
劇場版

監督:清水崇

脚本:清水崇

出演:奥菜恵、伊東美咲、上原美佐、
市川由衣、津田寛治、柴田かよこ

ストーリー

 「理佳」…福祉センターでボランティアをしている理佳は、徳永家に住む幸枝の様子を見に行った。散らかり放題の部屋を掃除し、二階へと上がると、不必要に目張りが施された押入れを発見する。中には「俊雄」と名乗る少年が閉じ込められていた。動揺を隠せない理佳は、幸枝に事情を聞き出そうとするが、幸枝に覆いかぶさるように現れた女の霊を目撃し、気を失う。

 「勝也」…勝也と和美の徳永夫妻は、母親の幸枝を連れ、新しい家へと転居してきた。ある夜、和美は何者かが走り回る音に気付き二階へと上がるが、そこで俊雄の霊と遭遇、そのまま死亡してしまった。その直後、勝也の妹の仁美が徳永家を訪れるが、何者かに取り憑かれた様子の勝也が、強引にそれを追い返した。

 「仁美」…勝也に追い返された仁美は不可解な現象をに襲われていた。トイレで得体の知れない女の霊を目撃し、警備員もその霊に殺害された。急いで自宅のマンションへと逃げ帰り、布団の中へと潜り込むが、布団の中にも女はいた絶叫と共に、仁美は引きずり込まれてしまう。

 「遠山」…福祉センターの男性は、徳永家で放心状態の理佳と絶命した幸枝を発見する。警察の現場検証により、二階の天井裏でも勝也と和美と死体が発見された。刑事中川が調査を進めた結果、過去に起こった恐ろしい事件が発端だと知る。佐伯剛雄が妻の伽耶子を殺害、天井裏に隠すという残忍極まりない事件。剛雄は数日後に不審な死を遂げ、息子の俊雄は未だ行方不明だという。中川は、当時の事件を担当していた遠山という男に相談を持ちかけた。警備員が殺されるビデオを見た遠山は家を燃やすしかないと確信し、大量の灯油を抱えて徳永家へと向かった。しかし、彼は二階で、小学生の娘いづみの成長した姿を目撃する。混乱する中、突如として現れた伽耶子の霊。遠山は急いで逃げ出すが、伽耶子は匍匐前進のまま階段を降りるという荒技を披露し、遠山を呪い殺した。

 「いづみ」…女子高生となったいづみは、例の家で友人数名と行った肝試しが原因で、怨霊に取り憑かれていた。友人は全員不可解な死を遂げ、次は自分だと怯えるいづみの精神にも限界が近づく。やがて、ゾンビとなった友人がいづみの家に現れ彼女を襲う。急いで篭城作戦を開始するいずみだが、父の仏壇から現れた伽耶子の霊に引きずり込まれ、姿を消した。

 「伽耶子」…福祉センターに就職をした理佳は、教師となった友人真理子と再会する。レストランで昼食をしていると、テーブルの下に潜む俊雄の霊を目撃。慌てて家へと帰る理佳だが、不登校児の家に訪問をしている真理子からの電話があり、そこから発せられた猫の鳴き声を聞き取ると、不登校児=俊雄の霊だと確信する。急いで例の家へと向かうと、真理子は天井裏へと引きずり込まれる最中であった。やがて伽耶子の霊が出現し、理佳と同化する。剛雄の霊は伽耶子と化した理佳を殺害し、天井裏へと隠した。

レビュー

 「リング」以降、いまいち停滞気味だったジャパニーズ・ホラー界に、恐怖と絶叫の旋風を巻き起こした傑作…と褒めちぎってはみたが、「リング」ほど万人受けする作品でないことは確かだ。何せこの映画、話の時系列はメチャクチャだし、不親切な演出も多い。徳永家に訪問していない筈の警備員が問答無用で呪い殺される不条理な展開も気になるし、結末に至っては完全に理解の範疇を超えていて、様々な憶測がファンの間で飛び交っている。

 観客を置いてきぼりにし、ひたすら登場人物が殺されていくという展開は、和製ホラーというよりもむしろ80年代の洋モノスプラッターに近いモノがある。例の家をクリスタルレイク・キャンプ場、伽耶子をジェイソンにチェンジしても何の違和感もなく物語が進行出来そうで面白い。サム・ライミが本作を絶賛したのも、恐らく欧米スラッシャーに物語の構造が似ている理由から来ているのだろう。

 しかし、“全身白塗りでブリーフ穿いた幽霊”という、冗談みたいなキャラで、ここまで背筋も凍るような恐怖を演出出来る清水崇監督は本当に天才である。天才なのは認めるが、女子高生ゾンビ3人衆の登場はいささかヤリすぎだった気もする。だってあいつら、幽霊なのにバットで頭殴ったら倒せそうなんだもん

 

ゾンビは大歓迎だが、お前らは浮きすぎ

 

階段降りづらくないッスか?

 

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