呪怨
白い老女

監督:三宅隆太

脚本:三宅隆太

出演:南明奈、鈴木祐樹、みひろ、
中村愛美、福永マリカ、雨宮チエ

ストーリー

 ある家で、司法試験に落ちた息子が家族5人を次々と惨殺。自らも首を吊って死んだ。死ぬ間際に彼が録音したカセットテープには、「行きます、すぐ行きます…」という彼の声と共に、少女の不気味な声が録音されていた。それは、今は高校に通うあかねが小学生の頃に親友だった未来という少女の声だった。未来は一家惨殺の被害者だったのだ。そして、幼い頃から霊感が強かったあかねの前に、黄色い帽子を被り赤いランドセルを背負った未来が姿を現す。

レビュー

 多分、この頃からヤク中だった高相法子主演の「呪怨2 劇場版」以来となる、日本版「呪怨」の最新作。映画が始まり、「文哉」というタイトルが表示されただけで何だか嬉しくなってしまったのは私だけでは無いはず。時間軸通りに進行し、伽椰子の生い立ちまで分かり易くバカ丁寧に説明してくれた親切設計のハリウッド版も嫌いでは無いが、やはり、「呪怨」の魅力は複数の登場人物の視点からなるオムニバス形式にあり、バラバラの時系列を頭の中で整理しないと物語の全体像が見えてこないという、不安を煽る意地悪な構成が「呪怨」の真骨頂なのだと私は思う。

 最新作の本作は清水崇の手を離れ、伽椰子もシカゴのアパートに出張中(「呪怨 パンデミック」)なので今回は不在。代わりに、監督の三宅隆太が「新耳袋 劇場版」で担当した「姿見」のエピソードで観客を恐怖と爆笑の渦に巻き込んだバスケットババアを導入した。その名の通り、バスケットボールを両手に抱えながら変顔でダッシュしてくる白塗りのバアさんなのだが、相変わらず絶妙なタイミングに颯爽と現れ、どう見てもギャグなんだけど物凄く心臓に悪い、非常にタチの悪い恐怖シーンを提供してくれる。

 司法試験に失敗した青年が5人の家族を皆殺しにした末、自らも命を絶つという、佐伯家とは比較にならない程の凄惨な事件が物語の発端になっており、ベッドで眠る父親の頭をバットでカチ割ったり、痴呆症の老女(後のバスケババアである)をロープでキュッと絞殺したり、女子児童の首をギコギコと刃物で切断したりと、青年が淡々と殺戮を行っていく場面は精神的に結構シンドイ。佐伯家と無関係の話でありながら、殺された者の恨みが生前に接していた場所に蓄積されて「業」となり、それに触れた人間も問答無用で命を失う理不尽なストーリーは「呪怨」そのものであり、伽椰子不在でも続編が作れることを十二分に証明している。

 ただ、「来るぞ来るぞ…」と思わせといて結局何も来ない、盛大な肩透かしを食らわされる結末に関しては大いに不満の残る出来であり、そこだけは唯一「呪怨」っぽくないと感じた。アッキーナだけがのうのうと生き残るなんて、ちょっと都合良すぎるんじゃないか?

 

迫りくるバスケットババアの恐怖!

 

 

一瞬だけゲスト出演している俊雄くん

 

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送