アイランド・オブ・ザ・デッド

監督:ヴィンセント・ドーン

脚本:ジョヴァンニ・パオルッチ、アントニオ・テントーリ

出演: イヴェット・イゾン、ロナルド・ロッソ、
アルビン・アンソン、ヨダリア・スアエズ

ストーリー

 宝探しをしていたシャロンたち一行だったが、嵐に遭い、無人島に漂流。この島にはゾンビの大群が!!次々に襲われる仲間たち。
しかし、シャロンたちはこの島に大変な財宝を発見する。だが、財宝とゾンビたちは深いつながりがあったのだ。迫りくるゾンビ軍団に遂に逃げ場を失ったシャロンたちだったが…

レビュー

 ビンセント・ドーンことブルーノ・マッティが死ぬ間際に撮った遺作「ゾンビ2009」の前作にあたる作品。この業界ではよくある話だが、我が国でのDVDリリースは「ゾンビ2009」の方が先であった。出涸らしすらも出なくなったような過去作から抽出した絞り汁に、クソまずいアレンジを加えて客に出すかのような芸風は相変わらず一貫しており、古くからのマッティファンも安心して楽しめる超低クオリティな作品になっている。

 疫病が蔓延る孤島を舞台にしているのは「サンゲリア」だったり、墓場でのやり取りが「ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド」の再現だったりと、基本はゾンビ映画の古典をヘタクソにオマージュしているが、何と後半は「ゴーストシップ」そっくりの幽霊奇譚に様変わり。沈没船の船長が亡霊となって現れたり、突如現れたセクシー女に誘惑されむしゃぶりつこうとしたら逆に食われてしまったり、呑気に酒盛りしてたらワインに蛆虫がいっぱい入っててオゲゲーッだったりと、本当に恥も臆面も無いほどに一緒。ゾンビ映画が急に「ゴーストシップ」になるのはいくら何でも唐突過ぎだが、マッティも迫る死期と共にボケが同時進行し、自分が何の映画を撮っているのかも分からなくなってしまったのだろう。同じホラーとはいえ、「サンゲリア」「ナイト〜」「ゴーストシップ」という毛色の全く違う3作品をマッティが上手に合成出来る筈も無く、完成したのは甲子園球場で力士がアイスホッケーしているかのような支離滅裂な代物であった。

 唯一の取り柄であった、雑な割には記憶にだけは残る残酷描写も本作では皆無で、残されたのはコント寸前の芝居をかます素人役者のみ。ただ、「サンゲリア2」の寛平ゾンビに代表されるマッティ得意の天然ボケは随所に炸裂しており、船がボタン1つで木っ端微塵になったり、ゾンビの群に突っ込んでいった勇敢な奴が調子に乗って「噛んでみろよ!ほら!」と腕を差し出したらそのまま噛まれて死亡したりするのは流石マッティと言わざるを得ない。

 

「サンゲリア」を大胆にパクるドーン監督だったが…

 

 

何故か途中から「ゴーストシップ」な展開に移行

 

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