サンゲリア2

監督:ルチオ・フルチ

脚本:クラウディオ・フラガッソ

出演:ディラン・セラフィアン、ベートライス・リング、
リチャード・レイモンド、アレックス・マックブライド

ストーリー

 東南アジアにある原子力研究施設を襲撃したテロリストが、細菌兵器“デス・ワン”に感染。全身腐乱で絶命した彼の遺体は程なく回収されるが、事件を隠蔽しようとする軍部はその死骸を極秘焼却。汚染された粉塵は大空へと拡散し、近隣のリゾート地は一瞬にして悪夢のゾンビ地帯と化す! おぞましい死者たちの襲撃をかわし、廃墟ホテルに逃げ込んだ旅行者や休暇中の兵士らは、この人喰いゾンビ地獄から決死の脱出を試みるのだが…。

レビュー

 ストーリーは全く繋がっていないが、「サンゲリア」の正当な続編。この映画のゴミっぷりはあらゆるレビューサイトで散々語り尽くされているので、「バタリアン」のアイデアをモロパクリしているとか、実はルチオ・フルチは監督していないといった与太話は、今更私が何を書いたところで新鮮味は皆無だろう。それでも、例の寛平ゾンビにはどうしても触れておきたい。一応、分からない人の為に説明をしておくと、本作には、鉈を高速で振り回す威勢の良いゾンビが登場するのだが、その動きが膝をガクガクさせながら杖を危なっかしく振り回す間寛平の持ちギャグに大変酷似していて、未だにファンの間では“寛平ゾンビ”の愛称で親しまれているのだ。でもこのシーン、高速で動き回るゾンビの異様さだけに目が行きがちだが、よく見ると襲われている女優も通常の3倍くらいの速さで鉈を避けまくっているので、ただ単に早回ししているだけであったことが判明する。ギャグでやってるのかどうかは不明だが、とりあえずこのシーンのあまりの滑稽さに3分近く笑い転げてしまった。

 その他にも、冷蔵庫を開けた瞬間に生首だけのゾンビが飛び掛ってくるという、全然びっくりしないサプライズシーンがあるのだが、冷静に考えてみると、何で冷蔵庫に生首が入っていたのかサッパリ分からないし、どうして生首だけでフワフワ浮いていられるのかも謎。恐らく答えなんて無く、ただ単にやってみたかっただけなのだろう。

 思いつきだけで登場させたような、けったいなゾンビ達を眺めている分にはそれなりに楽しめる作品なのだが、あろうことか本作はストーリーも思いつきだけで進行しているようで、何故か普通のホテルに火炎放射器やショットガンが用意されていたり、ゾンビに追い詰められて大ピンチ!と思いきや、たまたま落ちてた手榴弾を投げつけて一発逆転したり、銃をブラ下げている軍の兵士達が銃を使わずに格闘戦で勝負を挑んできた末に呆気なく射殺されたりと、にわかには信じられないようなミラクルが次から次へと巻き起こるのだ。しかし、何でもアリのオンパレードは終盤になるとすっかり飽きてしまい、緊張感など微塵も感じられなくなってしまうのが残念だ。脚本を書いたクラウディオ・フラガッソは、後に監督を務める「ゾンビ4」でも似たようなミラクルを連発させ、多くのゾンビ映画ファンを唖然とさせた。

 

鉈を高速で振り回す間寛平ゾンビは爆笑必至 

 

 

何故か浮遊して襲ってくる生首ゾンビ。動力源は何だ

    

 

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送