ナイト・オブ・ザ・リビングデッド
ダーケスト・ドーン

監督:クリスティアン・マイディク、ゼベディア・デ・ソト

脚本:ゼベディア・デ・ソト、デヴィット・R・シュワルツ

出演(声):トニー・トッド、ダニエル・ハリス、
ビル・モーズリー、ジョセフ・ピラトー

ストーリー

 母の墓参りにやってきたバーバラに甦った死体が襲いかかる。辛うじて近くのアパートに逃げ込んだバーバラは他の生存者たちと合流するが、死者の群れは容赦なく押し寄せてくるのだった…。

レビュー

 『トゥームレイダー』や『エクスペンダブルズ2』の監督であるサイモン・ウェストがプロデュースしたCGアニメーション作品であり、声優もホラー映画ファンにとっては非常に豪華な面々。まず、ヒロインのバーバラ役には『ハロウィン4』のダニエル・ハリス、兄のジョニーとベンは『ナイトオブザリビングデッド 死霊創世紀』と同じ配役であるビル・モーズリーとトニー・トッドがそれぞれ演じ、憎まれ役のクーパーを担当するのは『死霊のえじき』でも憎まれ役だったローズ大尉ことジョセフ・ピラトーである。

 これだけ見ると非常に期待の持てる布陣であるが、当然のことながら彼らの声優としての技量は推して知るべしであるし、2015年製作なのにも関わらず肝心のCGはプレイステーション2レベルのクオリティなので、同じCGゾンビ作品でも『バイオハザード ヴェンデッタ』のようなヌルヌル動くアニメーションを期待していると痛い目を見る。実写では到底不可能な画面を覆い尽くすようなゾンビの群れが出ることもなく、じゃあド派手な人体破壊に特化しているのかと言えば全然そんなこともなく、はっきり言ってこれではフルCGにした意味が全くない

 しかし、それでも意外と最後まで退屈せずに鑑賞出来てしまうのは、オリジナル版の展開を蔑ろにすることなく踏襲した脚本の為せる業であろう。冒頭の墓参りではヒロインのバーバラのみが登場し、兄のジョニーとは離れた場所の高層ビルで電話でのやり取りをしている。「奴らが来るぞバ〜バラ〜」と電話越しに妹を怖がらせて遊ぶジョニー。やがて墓場の向こうからファーストゾンビが現れるが、前述の通りジョニーは遠く離れたビルの中。まさかの「ジョニー死亡イベント」回避か!?と思って見ていたら、乗客がゾンビとなった旅客機がジョニーのいるビルに突っ込み無駄にスケールのデカい死に方をする

 生存者が立て籠る場所は一軒家からアパートに変更されているが、何と大量のゾンビの襲撃によって早々にその場所を放棄し、ベンたちは街中を彷徨う羽目になる。まるで原作とは別物の展開のように思えるが、車を奪うために向かったガソリンスタンドで、原作での「給油失敗爆死イベント」が強引に発生する。シチュエーションこそ大きく異なるものの、原作で起こった数々のイベントが予想外のアレンジで再現されていく様はある意味痛快であり、ラストの「ベン射殺エンド」もベンが居た場所にちょっとした捻りが効いていて、原作とはまた違った後味を感じさせるものとなっている。脚本が優れているだけにCGのクオリティの低さが非常に惜しまれる作品だ。

 

CGになったトニー・トッド

 

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