殺人鬼を飼う女

監督:中田秀夫

脚本:吉田香織

原作:大石圭

出演:飛鳥凛、大島正華、松山愛里、
中谷仁美、水橋研ニ、浜田信也

ストーリー

 櫻木京子はビストロで働く美しいギャルソン。幼少期に義父から性的虐待を受け続けたことにより、彼女の中には主人格のキョウコのほかに複数の人格が潜んでいた。キョウコを愛するレズビアン直美、異性関係に奔放で母親と同じ名を名乗るゆかり、虐待を受けた小学生のままのハル。キョウコは彼女たちと辻褄を合わせながら共存し支え合っていたが、マンションの隣人が憧れの小説家・田島冬樹と知り、恋心を抱いたのをきっかけに、得体の知れない歪みを感じ始める。それと時を同じくして彼女の周りで謎の死が相次ぎ、保たれていた均衡が崩れ始める…。

レビュー

 「呪怨」のノベライズ版を手掛けたことでも有名なホラー作家、大石圭による同名作を、「リング」の中田秀夫が映画化。KADOKAWAとハピネットによる共同企画「ハイテンション・ムービー・プロジェクト」の第一弾作品である本作のテーマはエロス+サスペンス。特に、本作はエロス方面での力の入れ具合が激しく、レイティングも納得のR18指定となっている。公開時期を考えてみると、中田監督は本作を「貞子」と同時進行で撮影していたとしか思えないのだが、もしそうだしたら「貞子」の出来があんなことになってしまったのも少しは納得がいく。往年のキレが全く感じられなかった「貞子」と、女優が脱ぎまくる変態ホラーの本作では、画面から感じられる熱量が圧倒的に違う。推測に過ぎないが、きっと中田監督は「俺は昔から女優がおっぱい見せまくるエロ映画が好きなの!貞子?知るかボケ!汚ねえ井戸にでも浸かってろ!」みたいな心境で「貞子」の撮影をやっつけ仕事で処理したに違いない。 

 無礼な邪推はこの辺にしておくとして、本作で無視できないのは女優陣のキャスティングにある。人気ノベルゲーを実写映画にした及川中監督のひぐらしのなく頃に」熱心な原作ファンからフルボッコに叩かれた作品であるが、どう考えても無謀な戦いに全力で勝負を挑んだ製作陣の姿勢に好感の持てる作品であった。特に解答編にあたるひぐらしのなく頃に誓」では、前作から遥かに演技力が向上した俳優陣による熱の入った芝居と、一歩間違えば大変なことになりかねない体を張ったアクションシーンが俺の心に突き刺さり、演出はタコでも嫌いになれない作品なのである。そんな実写ひぐらしのなく頃に」でヒロインを演じた飛鳥凛と松山愛里が何と本作でも主演を務め、おまけにスッポンポンになって濡れ場を演じるもうこれだけで実写「ひぐらしのなく頃に」ファンは必見の作品であると声を大にして言いたいが、果たしてあの映画のファンがこの世に存在するのかという不安も俺の中には少しある。

 多重人格のヒロインの内に潜む4つの人格を、タイプの違う4人の女優が演じ、時折ガールズトークのノリで彼女らが集団討論しているシーンは、「チャットルーム」でネット上での会話をアパートの一室で表現した中田秀夫監督らしいユニークなアイデアであり、傍から見れば1人で自問自答してるだけのつまらない場面を、こうしたアイデアで乗り切ってしまうのは多重人格映画における革といっても過言ではないだろう。3人の女優+水橋研二による、くんずほぐれつの壮絶な4Pへと雪崩れ込む壮絶なクライマックスも色んな意味で見応え充分であり、昔からロマンポルノ作品を愛好していたという中田秀夫の本領が発揮された1本である。

 

多重人格映画における革命的シーン

 

もう何が何だか分からない4Pシーン

 

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