ひぐらしのなく頃に 監督:及川中 脚本:及川中 原作:竜騎士07 出演:前田公輝、飛鳥凛、松山愛里、 ストーリー 昭和58年初夏。都会から山奥の寒村・雛見沢に引っ越してきた少年・前原圭一はある日、偶然出会ったカメラマンの富竹から、村にまつわる怪死事件の話を聞かされる。毎年6月の「綿流し」と呼ばれる祭の日に、1人が死に、1人が消える怪奇。陰謀か。偶然か。それとも祟りか…。それ以降、圭一の周囲の様子が除々に狂い始めていく。果たして今年も惨劇は繰り返されるのか…。 レビュー 同人ゲームから始まり、漫画、アニメ、PS2ソフトと、多メディアに渡って展開し、爆発的な人気を得てきた「ひぐらしのなく頃に」。その実写化のメガホンを取ったのは「富江」の及川中。近年の及川作品は大きく2つに分かれ、「吉祥天女」のような原作を頑張って実写化した作品と、「富江 REVENGE」や「うめく排水管」のような原作をやっつけ仕事で実写化した作品である。ちなみに本作は前者に分類されるのだが、この2つの作品に共通しているのはどっちも大して面白くないということなので、例によって本作も大して面白くない低予算ホラーに仕上がっている。 ストーリーは原作の「鬼隠し編」をベースにしているが、圭一が祭具殿に入るシークエンスや魅音の双子の妹が登場する「綿流し編」の展開も織り交ぜ、終盤は全ての黒幕が鷹野三四であることを仄めかしたり、原作であぅあぅ言ってる例のキャラの影を登場させたりと、「皆殺し編」「祭囃し編」へと連なる伏線まで用意されている。監督はかなり原作をやり込んだようだが、確かに脚本は手堅く纏まっていると思う。だが、壊滅的なまでにセンスの無い演出が随所に冴え渡り、全てが台無しになってしまっている印象がある。例えば、各メディアの作品で強烈なインパクトを残す竜宮礼奈の「嘘だ!」のシーンも、スクリーンいっぱいに「 嘘 だ !」の文字を表示させるというセンスの無さ。女優の声を合成で低くしているのも寒い。原作での身も凍るような恐怖シーンも、監督の手に掛かれば立派なギャグシーンである。ところが、冒頭で教室に入った知恵の頭に黒板消しが直撃するシーンだけはめっちゃホラーテイストだったりするので、とにかく全てにおいて何かがズレている印象がある。 ただ、キャスト陣に関して言えば、意外にも違和感を感じることは無かった。圭一役の前田公輝も、受験のストレスから幼女をエアガンで撃って喜んでいても違和感の無い顔(どんな顔だ)をしているし、レナ役の松山愛里も絶世の美少女とまではいかないが、ド田舎にいる可愛い女の子というとこのぐらいが丁度良い。魅音・詩音役の飛鳥凛が、「口裂け女2」の頃のハサミ癖が抜けずに自分の前髪をチョッキンするイッちゃった芝居はハマっているし、「伝染歌」でのすっとボケた女子高生役が印象的だった小野恵令奈が沙都子というのも面白い。梨花役のあいかの綿流し演舞もバッチリ決まっていたと思う。現在、同じスタッフとキャストで「罪滅し編」をベースにした「ひぐらしのなく頃に誓」が制作中らしいが、監督はもっと真っ当なホラー映画監督に変更した方が良いような気もするのだが…。
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この驚異的なセンスの無さはある意味スゴイ
血塗れのゴアシーンは良い感じ |
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