クライモリ
デッド・ホテル

監督:ヴァレリー・ミレフ

脚本:フランク・H・ウッドウォード

出演:アンソニー・イロット、セイディー・カッツ
アクィーラ・ゾール

ストーリー

 山奥のホテルを訪れたダニーとその友人たち。楽しいひと時を過ごしていた彼らだったが、宿泊している他の客が失踪したことを知る。そんな中、ダニーの仲間も1人、また1人と姿を消す…。ホテルでは“奴ら"による人間狩りが行われていたのだ! 恐怖に怯え、必死に逃げ惑うも、次々と残忍な方法で殺される若者たち。はたして、生きて帰ることが出来るのか!?

レビュー

 もはや邦題のクライモリどころか原題のWRONG TURN(誤った道)すらも関係が無くなり、スタン・ウィンストンが気合いを入れて作っていたマウンテンマンのフリークス面もどんどん雑になっていく様が実に哀愁を誘う本シリーズであるが、それでも新作が出る度に1作目や2作目の興奮を期待して購入までしてしまう自分が悲しい。そして案の定、本作の出来がシリーズ史上最低なものであったことも虚しさに拍車を掛けている。「クライモリ デッドパーティ」の失敗から何も学ばなかったのか、本作も前作同様にシリーズの顔であるマウンテンマン以外の狂人を登場させ、恐怖の対象がブレブレになってしまっているのは百歩譲るとしても、マウンテンマンと血縁関係にある主人公が徐々にダークサイドへと墜ちていくストーリーは加害者側にも被害者側にも感情移入が不可能でスラッシャー映画としては完全に落第点の出来である。

 奇形一族の子孫繁栄を物語のテーマにしているという都合上か、これまで以上に際どい濡れ場が多いのも深刻な問題のひとつで、こちらは奇形3兄弟の奇抜な殺戮シーンを楽しむ為に鑑賞しているのに、発情したキチガイ女が拉致した男に性的嫌がらせをする展開などを長々と見せられるのだから堪ったものではない。というか、本作に於いてマウンテンマンは完全に脇役といっても過言ではなく、6作目ということで倒れた後の死体が上手い具合にYの字になるようにカップルをぶっ殺すお馴染みのオープニング以外は目立った活躍もなく、基本的には同じ血族のキチガイ女による子作り奮闘記を優しく見守るという、まるでジャイアントパンダの飼育員のような立ち位置である。やる気あんのかこいつら。

 「13日の金曜日 ジェイソンの命日」しかり「エルム街の悪夢 ザ・ファイナルナイトメア」しかり、長く続くスラッシャー映画のシリーズで唐突に殺人鬼の血縁者が登場する作品は、完全にネタが枯渇してシリーズそのものが末期傾向であることを意味しているが(「ハロウィン」は別)、恐らく本作もその法則に当てはまってしまうことになるであろう。ここらで思い切ってリブートしてしまうか、もしくはマウンテンマンを宇宙に飛ばすくらいの大胆な冒険をしなければ、今後このシリーズが生き残っていくのは難しいのかもしれない。お願いですから、これ以上駄作を連発してスタン・ウィンストン先生の顔に泥を塗るのはやめてください!

 

スッゲー無理矢理な感じでYの字になるオープニング

 

こんなシーンが多い。デッドホテルというよりラブホテル

 

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