ハロウィン

監督:ジョン・カーペンター

脚本:ジョン・カーペンター、デブラ・ヒル

出演:ドナルド・プレザンス、ジェイミー・リー・カーティス、
ナンシー・キーズ、チャールズ・サイファーズ

ストーリー

 1963年10月31日ハロウィンの夜。イリノイ州にある小さな町、ハドンフィールドで殺人事件が起こった。現場のマイヤーズ家で殺害されたのは、その家の長女、ジュディス・マイヤーズ。そして、彼女を殺した犯人はマイヤーズ家の長男で6歳のマイケル・マイヤーズであった。マイケルは精神病院に入院となるも、マイケルの担当医を務める事になったルーミス医師は、マイケルの危険性に気付き、彼に対する警備体制の強化を求める。しかし、他の医師達はマイケルがまだ幼いのを理由に相手にしようとしなかった。

 事件から15年後。21歳になり、それまで病院で大人しくしていたマイケルは突如脱走。途中で殺害した作業員から作業つなぎを奪い、更には金物店で白いハロウィンマスクと包丁を盗んだマイケルは、高校生のローリー・ストロードの命を狙う。その一方、マイケルの担当医ルーミスが、マイケルの入院していた病室に残された「Sister(姉)」の文字を頼りに、彼の実家のあるハドンフィールドに訪れていた…。

レビュー

 スラッシャー映画の元祖と称されることの多い本作であるが、意外なことに直接的なショックシーンは少なく、血糊もほとんど使われていない。本作の続編も含む数多くのスラッシャー映画群から見ても本作のテンションは異様に低く、「13日の金曜日」のジェットコースター的な恐さとは対照的に、仕掛けが丸見えだけど雰囲気だけはやたらと怖い、昔のお化け屋敷のような恐怖がある(尚、「悪魔のいけにえ」は歪んでガッタガタになったレールの上を暴走するシートベルトの千切れたジェットコースターである)。

 殺人鬼マイケルが被る白塗りで無表情のマスクは、市販されている「スター・トレック」のカーク船長のマスクの目穴を大きく切り取って白く塗っただけという低予算映画ならではの泣ける話を知った今でも十分不気味であるし、ふと気付くと遠くでコチラを眺めて立ち尽くしているショットなどは日本の亡霊にも似た、背筋にゾクッとくる恐さを感じさせる。凶器に使うのも台所で誰でもお気軽に手に入れられる包丁というローテンションっぷりで、鉈やチェーンソーのようにスパッと気持ちよく一撃死できないところが実に厭らしい。

 ホラー映画史に名を連ねる多くの殺人鬼の中でもマイケルの行動の不明瞭さは特筆しており、自分で包丁で串刺しにして殺した相手を見て「ナンデスカコレハ?」とばかりに首を傾げたり、相手を油断させる為とは言え、素顔を隠してる白マスクの上から布団シーツを被り、更にその上から眼鏡を掛けるというオバQみたいな珍スタイルで相手を殺害したり、殺した相手の枕元にわざわざ墓場から盗んできた姉の墓石を置いたりと、そのサイコ過ぎる奇抜な行動の数々はマジで何考えてんだかサッパリ分からない

 1作目の段階ではヒロインのローリーがマイケルの実の妹だという設定が無い為、執拗にローリーを狙う動機すらも不明。冒頭、少年時代のマイケルが姉を包丁で殺害するが、ピエロのマスクを脱いだ時に現れる、あまりにもキョトンとした、無垢な顔が実に印象深い。もしかしたらマイケルもまた、ブギーマンという名の悪鬼に憑かれた犠牲者に過ぎなかったのかもしれない。

 

マスク・オン・ザ・マスク! リアルオバQですか?

 

何故、殺したのか。その謎が明らかになることはない

 

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