エルム街の悪夢6
ザ・ファイナルナイトメア

監督:レイチェル・タラレイ

脚本:マイケル・デ・ルカ

出演:リサ・ゼイン、ション・グリーンブラット、
ヤフェット・コットー、レズリー・ディーン

ストーリー

 眠ることを極度に恐れるジョンが、青少年矯正施設に収容される。カウンセラーのマギーは、ジョンの悪夢を解明するため、彼が持っていた新聞記事に記された街へ彼を連れて赴くことを決意。街の名はスプリングウッド。10年前より頻発した連続殺人と自殺により子供たちが全滅し、大人も集団発狂を遂げて今では廃墟と化していた。だが、どうやら街を逃げ出した生存者が一人だけいたらしい。それがジョンなのだろうか? 施設から脱走しようとしてマギーの車に隠れていた子供たちも一緒にスプリングウッドに降り立つが、そこは既に夢と現実の境界が崩されており、一行は次々と壮絶な悪夢に飲みこまれていく…。

レビュー

 スプリングウッドの子供は1人を残して全滅。大人たちは全員発狂という、ナンシーやクリスティンやアリスの奮闘を全て台無しにする絶望的な状況説明で始まる本作。おふざけ要素が増えてきて辟易していたエルム街シリーズであるが、ついに原点回帰し、シリアスでホラー要素満載の救いの無い物語が展開されるであろうことに期待も高まる幕開けであったが、その数分後にホウキに跨った魔女っ娘フレディが茶目っ気たっぷりに登場して高まった期待を木っ端微塵に粉砕してくれる。ちなみに本作は3D映画ということもあり、終盤で赤青セロファンの紙製3Dメガネがキーアイテムとして普通に画面に登場するのも物語の雰囲気をぶち壊すのに一役買っていたりする。

 その後も、難聴の青年をいたぶるために繰り広げられる補聴器を使った超グダグダのコントや、ゲーマーの青年がスーパーマリオになってフレディが操作するコントローラーによってピョンピョン飛び回り、天井に頭部を強打しまくるといった過去最大にくだらない殺しのイリュージョンが続き、4作目のアリスを彷彿とさせる少女がフレディとカンフーで対峙するといった超マンネリ気味なシークエンスも間に挟み、実はフレディには娘がいた!…というか、こんな変態と結婚する女って相当ヤバイだろ!的な展開や、フレディが不死身なのは生前に悪魔と密約を交わしていたからだ!…というか、あのオタマジャクシみたいな悪魔の造形はいくら何でも酷すぎだろ!といった心の底からどうでもいい真相が次々と明かされていく。

 フレディを現実世界に引っ張り出して無力化させる1作目同様の作戦は原点回帰を感じさせて好印象であったが、実の娘により「昔、よく手を繋いで一緒に歩いたけどアレ実はスッゲー嫌だったしキモかった!」といったショッキングな暴言を吐かれて完膚なきまでにフルボッコにされるフレディには流石に同情を禁じ得なかったし、実の父をダイナマイトで爆破した娘がヘラヘラ笑いながら「フレディズ・デーッド」と発言してスタッフロールに突入するという薄情過ぎる幕引きには、これまでシリーズを存続させてきたフレディ様に対する敬意の念が微塵も伝わってこなかったので、是非ともウェス・クレイヴンには、本作に関わった連中が撮影直後に謎の怪死を遂げていく「リアルナイトメア」の第2弾を作って頂きたいところである。

 

魔女フレディ。鏡で死んだりしたけれど、私は元気です  

 

さぁ、君も3Dメガネを装着してフレディと対決だ!

 

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