エンド・オブ・ザ・デッド

監督:ショーン・ダーリング

脚本:ショーン・ダーリング 

出演:シス・ダーリング、ジェームズ・ブラックバーン、
ウェンディ・アンドリュース、ステファン・エクルス

ストーリー

 突然、街中に発生したゾンビ。人間たちは次々に襲われ、逃げ隠れるようにして建物の中で、生き延びていた。自動車修理工のマイクは、アレックス親子と軍の基地を目指し、車で移動していた。途中、生き残った人間たちも増えたが、あるショッピングセンターに辿り着き、立て篭もっていた。しかし、増え続けるゾンビたちは、扉を破ってマイクたちを襲い始めた。マイクたちは意を決してゾンビの群れに闘いを挑むのだった。マイクたちは、生き残れるのだろうか。

レビュー

 JVDがどっかから拾って来た自主製作ゾンビ映画に適当な邦題と適当な吹き替えを付けてリリースしたいつも通りの映画。ビデオ撮りのピンボケ上等な映像はこの手の作品の中でも特にレベルが低く、暗闇のシーンに至っては全然照明が足りておらず誰が何をしているのやらサッパリ分からないが、別に分かったところで映画が格段に面白くなるとも思えないのでこれはこれで良いのかもしれない。

 物語はよくある終末モノで、篭城しているメンバーの1人が脱出の為に、ゾンビの波を掻き分けて外に駐車中の車を取りに行ったり(「ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド」)、逃げ込んだ先のショッピングセンターで好き放題やったり(「ゾンビ」)と、ゾンビ映画のお約束ともいえる展開を物凄くチープに再現。俳優の演技力もチンカスレベルなので、緊張感なんてものは皆無に等しいのは残念であると同時に少しホッとしてしまう。ただ、登場人物のキャラ分けが明確になっている分、「ゾンビナイト」のようなコイツ誰だっけ?状態にならないのは好感が持てるし、その中で異彩を放っている謎の甲冑姿の男の存在が、本来ならZ級で終わる筈の映画をX級程度には押し上げてくれている。自称ベルシャイア家の男爵・ウォーミン卿(誰だソイツ)の彼が、時代錯誤も甚だしい鎧と剣でゾンビの群れに勇敢に立ち向かう様は必見で、そんじょそこらのゾンビ映画なら完全に死亡フラグである状況に陥っても無傷でケロッと生還するのは実に痛快だ。

 また、ユーモアのセンスも中々のもので、「ゾンビ対策マニュアル」なるボンクラ本を出版してしまう程の正真正銘のゾンビ映画マニア(「ワールド・ウォー・Z」のマックス・ブルックスがモデル?)が、一連のゾンビ騒動に目を輝かせ「遂にこの時が来た!お前ら俺について来い!」と大見得切った矢先にゾンビの奇襲にあってフェードアウトしたり、結局彼の書いた本は車にへばり付いたゾンビを叩き落とす為の鈍器としてしか使われなかったりと、ウィットに富んだギャグが随所にあるのも少しだけ好感が持てる。その一方で、折り畳み傘をゾンビの口に突っ込んで傘を広げたらゾンビの頭部が水風船のように弾けたり、腕を噛まれた女性の感染を阻止する為、ドアを閉める勢いを利用して患部を切断したりと、どいつもこいつも人体の強度が豆腐かプリン程度しかないのは少々おふざけが過ぎているような気もする。惜しいといえば惜しい映画。

 

 甲冑姿の男が出るけどシュナース監督作じゃないよ! 

 

自主製作にしては頑張ってる欠損表現

 

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