VERSUS/ヴァーサス

監督:北村龍平

脚本:北村龍平

出演:坂口拓、榊英雄、三坂知絵子、
松田賢二、新井雄一郎、松本実、大場一史

ストーリー

 脱獄囚のKSC2−303は、5人のヤクザとの合流地点へと辿りつく。車が到着し、ヤクザと共に人質の女が降りてきた。人質を解放するためにヤクザの1人を撃ち殺すKSC2−303。しかし、妙なことが起きた。撃ち殺した筈のヤクザがゾンビとなり、仲間に襲い掛かってきたのだ。混乱に乗じて森へと逃亡するKSC2−303と人質の女性。女は語る。この森は“黄泉返りの森”だ、と。

 ヤクザたちは地中から次々と復活するゾンビと交戦状態になり、ハンドガン、アサルトライフル、ショットガン、ナイフなどを駆使して次々とゾンビを撃破していく。 KSC2−303もドサクサ紛れに参戦し、ゾンビ連中にパンチパンチキック!ついでにガン・カタ!更に3人組の殺し屋も到着すると、ゾンビ相手に大立ち回りを演じストーリーもクソも無くなってくる

 収拾が付かなくなった頃にヤクザのボスが到着する。実はボスを暗殺するつもりだったヤクザ連中と殺し屋はボスを取り囲む。しかし彼は驚異的な強さを発揮し、部下を血祭りに上げた。その後、彼らに怪しげな力を注ぎ、ヤクザ連中と殺し屋はハイパーゾンビとして復活する。実は森のゾンビ達も、この男が“死人返りの術”で復活させたものだったのだ。

 ボスの真の目的、それは黄泉への結界を解くことであった。その為には人質の女の血が必要だった。女を守る為に戦うKSC2−303は、一度はボスに敗れたものの、女の血を取り込みダークヒーローとして覚醒する。 ハイパーゾンビと化したヤクザ連中と殺し屋を次々と撃破し、彼を追跡していた必殺処刑コップも対戦車ライフルで木っ端微塵に粉砕する。そして長ーい長ーい激闘の末、ついにKSC2−303はボスを仕留めることに成功したのだった。

 レビュー

 ゾンビ!殴り合い!銃撃!そしてチャンバラ!とにかくそれだけの映画であるが、登場人物の鬼気迫るアクションの数々と小気味良い編集が見事にマッチし、主人公の大根っぷりとヒロインの顔のアレっぷりと脚本のゴミっぷりを寛大な心で完全スルーできるだけの驚異的なインパクトを放っている。「死霊のはらわた」しかり、「悪魔のいけにえ」しかり、デビュー間もない活力に満ちた新人監督の作品には異常なテンションの作品が多いが、本作もその中の1本に入るだろう。テンションの高さだけで観客をただただ圧倒しているのだ。登場するゾンビたちも死んでるくせに威勢が良く、ピョンピョン飛び跳ねるわバンバン銃を撃つわと、ロメロ系というよりもマカロニ系のゾンビが多いのも実にツボを突いている。

 そんなゾンビたちを登場人物達がひたすら屠っていく前半部分のパートはテンポの良さも相まって、文句の付け所が無いくらいに面白い。ボスを謀殺しようとして返り討ちにあったヤクザ達がハイパーゾンビになり、主人公と超人合戦を繰り広げる後半も見応え十分なのだが、そこに至るまでのドラマ部分が少し邪魔だったかも。また、主人公を追う必殺処刑コップが繰り広げるコントパートも悲しいくらいに面白くなく、終盤でようやくマトモな活躍の場を与えられたかと思いきや、対戦車ライフルで木っ端にされて即退場って全然戦ってねえじゃん!ヴァーサスしてねえじゃん!だが、あの素敵すぎるラストシーンを観てしまうと、そんな数々の不満も銀河系の彼方に吹き飛んでしまった。“終わりよければ全てよし”とは良く言ったものである。

 ちなみに本作には新たなシーンを加えた「アルティメット版」が存在する。オリジナル版では余裕でスルーされていたアサシンズの登場シーンが、それぞれの得意技を駆使してゾンビを駆逐しまくるバトルシーンに変更されている他、銃器オタクのゾンビ狩りシーンや坂口がマジ当てでゾンビをボッコボコにするシーンが少しだけ長くなっている。更に、榊に顔面をパンチで貫通させられた筈の赤毛のハイパーゾンビが何故か終盤で復活し、やはり坂口のマジ当ての餌食になって瞬殺されるという俳優泣かせなシーンも。ヒロインの顔がバージョンアップしていたりすることは無いので過度な期待は禁物である。

 

 

 坂口拓の本気アクションでボコボコにされるゾンビ達      ヤクザの1人は銃器を駆使してゾンビを殲滅する

 

 

    ちなみにゾンビたちもバンバン銃を撃つ        個人的にはこいつら(アサシンズ)が一番好き

 

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