死霊のはらわた

監督:サム・ライミ

脚本:サム・ライミ

出演:ブルース・キャンベル、エレン・サントワイズ、
ベッツィー・ベイカー、ハル・デルリック

ストーリー

 山奥にある貸別荘に休日を楽しむためにやってきたアッシュら5人の男女。彼らはそこで古いテープレコーダーを発見する。そこに録音されていたのは、森に棲む死霊を眠りから起こすための呪文だった。目を覚ました死霊たちに次々と体を乗っ取られ、不死の怪物と化していく彼らの中で、1人生き残ったアッシュは血みどろの決戦へと立ち向かってゆく。

レビュー

 この映画で思い出すのは高校1年生の文化祭。上級生の出し物であるオバケ屋敷がお目当ての私は早速友人らと共にその教室へと向かったが、教室前の廊下は妙に閑散としていた。何でこんなに人気が無いんだ?という疑問はすぐに解決した。そのクラスは順番待ちの生徒を退屈させない為、廊下にテレビとVHSデッキを設置していたのだが、垂れ流しにしていた映画が「死霊のはらわた」だったのだ。ちょうどホラー映画に興味を持ち始めた頃だった私は、画面から発せられるハイテンションなスプラッター映像に魅了されてしまい、廊下に座り込んでテレビに釘付けになっていた。あまりにも衝撃的だったので、弁当を廊下に持ち込んでテレビを見ながら昼食をとった。便所メシならぬ廊下メシである。結局、オバケ屋敷には入らなかったし、友人も気付けば何処かへ消えていた。文化祭の大半の時間を廊下で過ごすというのは今思えば悲し過ぎるエピソードであるが、この映画に巡り合えたという意味では貴重な思い出である。

 もうひとつ思い出すのは大学1年生の海外研修。ニュージーランドで3週間ホームステイをするというコミュ症+英語力ゼロの私にとっては罰ゲームのようなイベントがあったのだが、ホストファミリーが暮らす家の近くに個人経営のビデオ屋があり、そこに入り浸るのが唯一の楽しみだった。当時、日本国内で販売されてた「死霊のはらわた」のDVDは、悪名高きJVDからリリースされた画質・音声ともに最悪、残酷シーンが一部カット、特典映像は自社製エログロVシネの予告のみという産業廃棄物みたいな代物だったので、この機会にまともな仕様のDVDを購入しようと決意していた。しかし、アルファベット順ではなくランダムに並べられた膨大なDVDから「EVIL DEAD」を探し出すのは困難を極め、店員のオヤジは毎日DVDの背表紙を何時間も眺め続ける不気味なジャパニーズを警戒しだした。数日が経ち、ようやく念願の「EVIL DEAD」を発見した私がスキップしたい気持ちを抑えてレジへ持っていくと、それまで怪訝な顔で見ていたオヤジは「イーヴルデーッド!」と大袈裟に驚いてみせた後、笑顔でサムズアップしながら「グッドムービー」と英語力ゼロの私にも分かるイージーイングリッシュで話し掛けてくれた。あのオヤジの笑顔を、私は一生忘れることはないだろう。

 サム・ライミの出世作となった本作。2作目、3作目とコメディ色が強くなっていくのがこのシリーズの特徴であるが、やはり、ブレーキのイカれたような恐怖演出でラストまで突っ走る1作目の出来が神懸かっている。白目を剥いてケタケタ笑う死霊の姿は何度観ても恐ろしいし、ラストで死霊が急速に朽ち果てていくストップモーションのアニメもCGでは再現不可能な気色悪さに溢れていて最高の一言。「スパイダーマン」シリーズで一躍大物監督の仲間入りをしたライミであるが、ライミ自身は未だに本作の4作目を撮りたがっているようで、最近ではリメイク版のプロデューサーも務めていた。

 

木のツタにレイプされる女性。このエロ・ライミめ!

 

「死霊のはらわた」という邦題に相応しいゲログロなラスト       

 

 

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