口裂け女

監督:白石晃士

脚本:白石晃士

出演:佐藤江梨子、加藤晴彦、
水野美紀、川合千春、桑名里瑛、

ストーリー

 「白いマスクをした女が子供を襲う」「マスクを取ると、その口は大きく裂けている」―1970年代に日本全国を席巻した「口裂け女」の噂が今また、とある郊外の町で広まりつつあった。噂は現実となり、町の子供たちが次々と消えていく。そんな折、同僚の松崎が見せた一枚の写真に京子は驚く。そこには京子が目撃した“あの女”の姿があった。

レビュー

 「ノロイ」の白石晃士が手掛けた都市伝説ホラー。かつてストUのCMで実写チュンリーを演じてた水野美紀も今や口裂け女である。彼女が、耳まで裂けた口をバカーッとだらしなく開けるショットはなかなか衝撃的で、今まで映像化された口裂け女の中では一番怖い。小学生の子供を殴るわ蹴るわハサミでメッタ刺しにするわの好感度なんか知らねえよ的な体当たり演技も、大人はともかく子供が見たらトラウマになりかねないほどのインパクトを持ち合わせている。

 口の裂けたデカ女が小学生を襲いまくるだけの話では2時間も持たないので、物語は幼児虐待問題を絡めて進行し、口裂け女の意外な正体を徐々に明かしていく。本作の口裂け女は、かつて幼児虐待を繰り返していた2重人格の女性で、止めることのできない虐待の衝動から息子を守る為に自殺。その自殺方法が凄まじく、息子に包丁を渡して「私を切れ!」と命じるもの。息子は包丁を振るって母親を刺殺し(この時に口が裂けた)、死体を家の箪笥に隠したのだが、その口裂け女のミイラが十数年の時を経て巨大地震で甦ってしまったのだ。一体どこの怪獣映画のモンスターだよと脱力してしまうが、その後もミイラである体を捨てて他人の母親の体に次々と憑依していったりしているので、口裂け女というよりは「ジェイソンの命日」に登場するような寄生生物に近い。憑依の連鎖を断ち切る為には相手の首を斬り落とすしかないというのも、Jホラーというよりは80年代のB級スプラッターなノリで楽しませてくれる。口癖である例の「ワタシ、キレイ?」が「私を切れ!」の言葉が訛ったものだという設定も、何だか釈然としないものはあるが面白いと思った。

 さらわれた小学生の児童が地下の部屋で口を裂かれたりメッタ刺しにされたりするくだりは、規制の厳しいこの時代によくできたもんだと感心してしまうが、憑依された母親を含めてかなりの犠牲者が出ているのに、何一つ解決せずに主人公のサトエリが口裂け女化するカタルシスゼロのラストシーンにはさすがにウンザリしてしまった。後味を悪くすれば良いってもんじゃない! 

 

 

小学生が次々と犠牲になる展開は容赦が無い

 

ラストはサトエリまでもが口裂け女化。終わんねーじゃん!

 

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