ドリーム・クルーズ

監督:鶴田法男

脚本:高山直也

原作:鈴木光司

出演: 木村佳乃、ダニエル・ギリス、
蜷川みほ、石橋凌

ストーリー

 資産家の斉藤英治は、若い美人妻の百合、顧問弁護士であるジャックと共に東京湾クルーズに出かけた。百合とジャックは不倫関係にあり、英治はそのことを薄々感じ取っていた。彼らそれぞれの思惑を抱いてクルーザーは洋上に出た。海が夜の闇に支配された頃から、英治の言動や態度に変化が起きる。誰の助けを呼ぶこともできない隔絶されたクルーザーの中で、英治と失踪した前妻・直美との間に起きた陰惨な事件の真相が明らかに…。

レビュー

 鈴木光司著「仄暗い水の底から」の一編である「夢の島クルーズ」のハリウッドでの映画化。原作は、アムウェイ会員の夫婦と強引に招待された1人の青年が船上で体験する恐怖の一夜を描いた作品で、アムウェイ勧誘+船上の怪奇現象という厄介事のダブルパンチを食らった青年が気の毒で堪らないお話だったが、今回の映画は登場人物の設定を大幅に改変。外人俳優を主人公に据えてハリウッド映画であることをアピールする一方、石橋凌と木村佳乃が見るからに上手くいってない夫婦を見事に演じている。

 登場人物は3人(+幽霊)、舞台は狭苦しいクルーザーの中だけという超低予算作品であり、物語自体も使い古された正統派の怨念話なので、見ると死ぬビデオとか受信すると死ぬ着信とか飲むと死ぬ水とか歌うと死ぬ歌など、昨今のJホラーに見慣れていると退屈な部分もあるかもしれない。だが、油断しきった頃に繰り出されるショック演出が本当に絶妙で、思わず声を出して驚いてしまったシーンもちらほら。鶴田法男の劇場用作品といえば、「案山子」「リング0バースデイ」といったどこで怖がっていいのか分からない映画ばかりであったが、今回の作品ではJホラー先駆者の本領発揮といったところか。

 日本ならではの恐怖描写で陰湿なムードを作り出す一方、欧米人が大喜びしそうな残酷描写を盛り込んでスラップスティックな笑いを誘うのも、B級ホラーを敬愛する鶴田監督らしい演出であった。中でも、クルーザーのスクリューでバラバラにされた石橋凌の顔面がゾンビのように崩れたり、「死霊のはらわた2」よろしく手首のみで襲い掛かってくるくだりはバカバカしくも笑える名シーンだ。

 

 

グチャドロに崩壊する石橋凌の顔面

 

 

貞子、美々子、伽椰子の次はワタシよ!

 

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