制服サバイガールT

監督:金子大志

脚本:金子大志、松本健樹

出演:飛鳥凛、有末麻裕子、紗綾、
鹿谷弥生、秦みずほ、小林万桜、仲村みう

ストーリー

 17歳のさくらは仲間6人と共に、仲間の1人である葵の叔父が経営するテーマパークへ遊びに行く。その名は“サバイバルランド”。忍者や侍、ガンマンに扮した敵役と、シューティングゲームが体験できる場所である。ゲームを楽しむ7人だが、敵役の1人が突然、狂ったように無差別攻撃を始める。逃げ惑う7人だが、そこは閉鎖されたテーマパークである。1人、また1人と犠牲者が増えていく。さくらは、この狂った敵と闘う決意をするのだが…。

レビュー

 「お姉チャンバラ THE MOVIE」や「最強兵器女子高生 RIKA」など、近年の和製ゾンビ映画は制服姿の女子高生が日本刀をブン回すアクション活劇になることが多いが、本作もそんな時代の流れから産み落とされた作品。タイトルは「片腕マシンガール」を華麗にパクっているが、その中身は「ウエストワールド」や「ジュラシックパーク」と同様のテーマパーク暴走モノに、ゾンビ映画のエッセンスを強引に取り入れた超意欲作になっている。

 舞台となるサバイバルランドは、ストレス解消を目的として作られたテーマパークで、入場者がパーク内に徘徊する忍者、侍、ガンマンの3人を撃退するのがゲームの趣旨。入場した際に渡される銃で敵を撃つと、敵の肩パッドのセンサーが赤外線を受信してブルブルと振動するという仕組みなのだが、果たしてそんなゲームがストレス解消に繋がるのか甚だ疑問である。だだっ広いフィールドの中で、たった3人しかいない敵を探し回るなんて余計にストレスが溜まりそうなのだが…。と、そこへ遺伝子組換え野菜の実験で汚染された植物の樹液を浴びてしまった忍者が植物ゾンビと化し、女子高生を襲いだしのだからさぁ大変というのが主な物語。

 植物ゾンビは、体にツタをグルグルと巻いただけのお手軽メイクに、目がピカーンと緑色に発光するエフェクトで安さ爆発な代物なのだが、相手を感染させる為に口から青汁を吐き出すのは下品な感じで良い。道具を使う知能も残されているようで、相手を刃物で切り裂く→傷口に青汁をぶっ掛けるというコンボで次々と仲間を増やしていったり、弱点が除草剤というのも面白い。「バイオハザード アウトブレイク ファイル2」というPS2のゲームで、植物に寄生されたゾンビが、頭に花を咲かせてフラフラと森を徘徊していたが、思わずソレを思い出してしまったのは私だけでは無い筈だ。女子高生たちの対抗手段も見所のひとつで、彼女らは釘打ち機やチェーンソー、そして弱点の除草剤を巻く噴霧器で武装するのだが、釘打ち機はコンセントのある場所でしか使用出来なかったり、噴霧器は最強だけど射程距離が短かったりと、それぞれの武器の特性が活かされていて好印象。除草剤を垂らした日本刀でゾンビをぶった斬る飛鳥凛は、さながら「BLOOD+」の音無小夜のようであった。

 ところがこの映画、サスペンス部分が壊滅的なまでにヒドイ。例えば、生存者1人1人が腕に除草剤を垂らして感染しているか否かを検査する「遊星からの物体X」を惜しげもなくパクったシーンがあるのだが、そういった展開は誰が感染しているのか全く予想出来ないからこそ盛り上がるのであって、序盤で殺された筈の女子高生がセーラー服を緑色に染めた状態でその場にいるのだから誰がどう見たって感染者はコイツである。ラストシーン、飛鳥凛の腕に現れた赤い植物を写して終劇となるが、これも途中で飛鳥凛が感染するシーンをハッキリと描写しているので特にこれといった衝撃も無い。無神経とも思えるお粗末なサスペンスの所為で、ただでさえ超低予算の映画を、更に安っぽい印象にさせてしまっていることは否めないだろう。ちなみに、続編の「制服サバイガールU」はアクションが主体の本作とは正反対の密室劇だが、前述したサスペンスの弱さが全編に渡って露呈しまっている非常に残念な感じの作品だった。 

 

 

面白いのか?このアトラクション…

 

 

体からツタを生やした植物ゾンビ。弱点は除草剤!

 

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