お姉チャンバラ
THE MOVIE

監督:福田陽平

脚本:福田陽平、村川康敏

出演: 乙黒えり、橋本愛実、
脇知弘、中村知世

ストーリー

 戦乱の世、世界は狂乱の渦に飲み込まれ、街には謎の科学者・杉田によって作られたゾンビが溢れ返っていた。荒くれ者たちも、幸せだったカップルも次々とゾンビの餌食となってゆく…。その中で、次々とゾンビを切り倒してゆく彩。「忌血」の末裔である彩は、父を目の前で殺した腹違いの妹・咲に復讐を誓っていた。

 そして、ちょっと頼りない勝治も杉田にさらわれた妹を探すために、必死に並み居るゾンビを狩り進んでゆく。2人が杉田目指してゾンビと格闘する中、同じく杉田に対して恨みを持つレイコと遭遇。レイコは最愛の娘を殺されていたのだ…。幸せな生活から一変、復讐だけを胸に1人ショットガンを手にし、杉田の元へと向かっていた。

 互いを受け入れられず、対立しつつも共闘することになった3人、それぞれの思いを胸に、多くの犠牲者、無数のゾンビの屍を乗り越えて進む。時に助け、時に助けられ、互いの事情を知っていくうちに3人の心は通い合い、絆はより強いものとなってゆく。そんな3人をあざけ笑うかのように不敵に笑う杉田と無表情の咲。彼女もまた、父の愛情を一身に受けていた彩に対して恨みを抱いていた。3人の行く末はどうなるのか?対峙する彩と咲。宿命を背負った姉妹の一騎打ちが今始まる…。

レビュー

 今やXBOX360やWiiなどの次世代機で最新作が登場するまでに至った「お姉チャンバラ」の映画化である。ビキニにブーツ、マフラーにテンガロンハットという個性的な格好をした女キャラが、日本刀でゾンビの群れをひたすら切りまくるゾンビ無双このゲームは、「ゾンビの返り血を一定量浴びると興奮して暴走する」「ゾンビを斬り続けると肉汁で刀が劣化する」などの変態すぎるゲームシステムと、地雷揃いのSIMPLE2000シリーズの中ではそこそこ遊べるということもあってか、シンプラーの間では「地球防衛軍」に次ぐ人気ソフトとなった。かくいう私も大学をサボって発売日に突撃し、「ゾンビ」のサントラをヘッドホンで聞きながら、鉈を振り回すトム・サビーニ気分でゾンビを狩りまくっていたものである。1時間で飽きたけど

 そんな素敵な思い出のあるゲームの映画化となれば、例え予告編から強烈なVシネ臭を嗅ぎ取ってしまっても、何だか気になって観に行ってしまうのがゾンビストの悲しい性なのだが、いざ蓋を開けてみれば意外や意外、和製ゾンビ映画の中では上位クラスに食い込めるだけの魅力を持つ優等生作品であった(あくまで和製ゾンビ映画の中で)。やたらめったら強いヒロインがゾンビを次々と屠っていく劣化版「バイオハザード」みたいな内容だが、タイトルバックでいきなりゲームのCGムービーを流したり、斬り捨てたゾンビの返り血が画面にビチャビチャと付着する「vortex」まんまの演出があったりと、作風的にはウーヴェ・ボルの「ハウス・オブ・ザ・デッド」に近い。要するにバカ度が高い。しかし、バカ映画の割にはチャンバラシーンが本格的で見せ場も多く、中途半端なアクション映画にはしたくないという監督の強い意志が感じられた。

 彩、咲、レイコの衣装はゲームを完全にトレースしていてファンには感涙モノだし、ゾンビがちゃんと大量に登場してくれるのも嬉しい限り。ゲームで厄介な存在だった鉄球女子学生ゾンビも出てくるので、思わず脳内コントローラーでR1+左右キー+×ボタンを連打して側転回避したくなったのは私だけではない筈。クライマックス、咲との対決で彩が暴走モードに入るときのBGMが、「vortex」のラスボス戦の曲なのもファンサービスの1つだろう。

 個人的には、あの無茶苦茶なゲームを実写化した時点で100点満点を捧げたい気持ちでいっぱいなのだが、主要キャラの演技が大根すぎてイライラしたり、取って付けたような人間ドラマが御粗末だったり、舞台が廃墟と草原のみだったり、CGがあまりに酷すぎたり、彩と一緒に行動してるデブキャラがウザかったり、というか基本的にストーリーがクソつまらなかったり、パンフレットが紙切れ1枚で700円だったりと、少しだけ不満があるのは残念である。何だかアクションシーン以外は特に印象に残らないような映画だが、原作ゲームからして水着姉チャンがゾンビを斬ってるだけの内容なので、ある意味ゲームに忠実な映画化といえるのかもしれない。

 

鉄球女子高生ゾンビも完全トレース! 

 

咲vs彩のラストバトルは見応え十分

 

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