ナイト・オブ・ザ・リビングデッド
レザレクション

監督:ジェームズ・プラム

脚本:アンドリュー・ジョーンズ

出演:スレ・リミ、キャシー・サクソンデール、
リー・ベイン、テリー・ビクター

ストーリー

 原因不明の奇病か、はたまた黙示録に予言されていたハルマゲドンか。ある日、突然死体が蘇り、生きている者を襲いだした。文明が崩壊していく中、とある家族は西ウェールズにある一軒家立てこもる。しかし、本当の脅威は歩く死体だけではなかった…。

レビュー

 『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』の舞台を現代のイギリスに置き換えただけの話かと思いきや、ゾンビから逃亡する黒人青年のベンが、一軒家に辿り着いた直後に家主の撃ったショットガンによって頭が吹き飛ばされる衝撃の展開。開始20分で起こるこのサプライズこそが本作最大の見せ場であり、残りの約70分は一軒家に籠城していた家族の退屈な籠城劇が消化試合の如く垂れ流される。

 何故退屈なのかの答えは明白であり、この映画はゾンビがろくすっぽ登場しないのである。本家を含む過去の『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』では、どんなに出来が酷かろうが一軒家を取り囲むゾンビの群れは必ず描かれていたが、本作では登場人物同士の会話で「どうやら外にゾンビが沢山いるらしい」ということが分かるのみで、窓から外の景色を一向に写してくれない寸止めプレイが延々と続く。予算の関係上、多くのゾンビを用意出来なかったのだろうが、密室劇としての脚本もお粗末過ぎる代物であり、ゾンビに噛まれて具合の悪くなった少年がゾンビ化して家族に牙を剥く展開があったのにも関わらず、登場人物は誰ひとりとして「ゾンビに噛まれる=ゾンビ化」のルールを理解していないのか、噛まれた妊婦やその旦那は物語終盤まで野放し状態だったりする。こいつらは本気で生き残る気があるのかと問いたい。

 一軒家から逃げ出した父親がストリート・チルドレンに捕まり、面白半分に虐殺されてしまう展開には悪趣味なブリティッシュ・ジョークを感じたが、基本的には『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』の名前を借りた低予算ゾンビ映画の域を出ない、水準以下のダメダメな作品である。これを観るくらいなら『フレッシュ・イーター』を観ていた方が遥かに楽しめることは間違いないだろう。

 

開始20分で死ぬベン君

 

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