こどもつかい

監督:清水崇

脚本:ブラジリィー・アン・山田、清水崇

出演:滝沢秀明、有岡大貴、門脇麦、
根本真陽、須藤温子、ジェームス・サザーランド

ストーリー

 新人記者の駿也は、郊外で起こった連続不審死事件を追ううちに奇妙な偶然に辿りつく。小さなこどもが失踪した3日後に、その周りの大人が死んでいるのだ。死んだ大人たちはこどもに怨まれていたという。街の人々の間に広がる、“こどもの呪い"の噂。失踪し、戻ってきたこどもたちが口ずさむ歌に事件解決の糸口を見出した駿也は、取材にのめり込んでいく…。そんな中、駿也の恋人・尚美が、ふとしたことでこどもに怨まれ、“こどもの呪い"が現実に迫りくる。尚美を守るため、呪いの核心に近づこうとする2人の前に、突如現れた謎の男“こどもつかい"。男の笛の音と共に、次々に“こどもの霊"が現れ、襲い掛かる! “こどもつかい"とは何者なのか? 果たして2人は、この“呪い"と“怨み"から逃れることができるのか−。

レビュー

 「呪怨」シリーズや「ラビット・ホラー3D」を観れば分かる通り、清水崇は何の落ち度もない善良な人間を理不尽な目に遭わせて殺すヒトデナシな人格を持ち合わせているが、今回は珍しく被害者側に殺されるに値する理由付けがされている。要するに子供に対して酷いことをした大人は、俊雄君の量産型みたいなガキンチョ軍団にぶっ殺されてしまうわけであるが、確かに子供の亡霊がニコニコしながら襲ってくる様はいつもの清水節が炸裂していて不気味である。それは大いに結構なのだが、その子供の亡霊が出てくるシーンの多くは、ふざけた格好をした滝沢秀明がもれなくセットで付いてくるのでノイズが半端じゃない。しかもメチャクチャよく喋る。お願いだから黙っててくれ。何度も劇場でそう思った。

 別にタッキーに恨みはない。「怪奇倶楽部」を見て育った世代なので、むしろ好きな部類といっても良いだろう。だが、本作に限っていえばタッキーは邪魔でしかない。タッキーの演じる役柄は、大昔に変態の腹話術師に焼き殺された子供たちの怨念によって魂を得た人形・トミー君であり、タイトルにもなっているこどもつかいとは要するにトミーのことを言っているわけで、物語上必要不可欠な存在である。しかしどういうわけか、その魂を得た人形をタッキーが演じている。清水崇は「輪廻」で動く人形を使った恐怖演出を経験している筈なのに、本作ではタッキーが馬鹿みたいな格好をしながら生きた人形を演じているのである。恋人の呪いを解くために奮闘する主人公がHey! Say! JUMPのメンバーであることからも分かる通り、邦画界の癌ともいえる某事務所からの見えない力を感じずにはいられない。

 幼児虐待問題を主軸としたダークな世界観はJホラー特有のどんより感で悪くはないし、門脇麦が演じるヒロインに掛けられた呪いに3日間というタイムリミットが設けられている点も「リング」の模倣といってしまえばそれまでだが、ストーリー後半の推進力になっていて決して退屈はしない。「呪怨」ほど中身が空っぽでもなければ、「ラビット・ホラー3D」ほど複雑な物語でもない。これぞ自分が清水崇に求めていた丁度良い塩梅のストーリーだったのだが、はっきり言ってタッキーはお呼びではない。繰り返しになるが、タッキーが邪魔なのである。百歩譲って人間が演じるにしても、そこはやはり子供でなければ駄目だ。35歳のタッキーによるジョニー・デップの上っ面だけを真似たようなおどけた芝居を、俺は一体どんな顔をして見れば良いのか。子供たちの亡霊が登場すると、もれなくタッキーも出てきて唐突に滝沢劇場が始まる。正直キツイ。タッキーが邪魔。何度だって言うが、タッキーは邪魔である。


 

子供の亡霊は心底不気味であるが…

 

こいつが邪魔!

 

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