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マッドムービー
遊園地残酷迷宮
監督：城定秀夫
脚本：城定秀夫、友松直之
出演：吉沢明歩、希志あいの、
イ・ギュボク、ファン・ジフ、パク・インス
ストーリー
元女優のアヤカは、韓国人の彼氏と結婚を前提に付き合っている。彼の家族に挨拶をするために、アヤカは親友のサオリと一緒に韓国に来ていた。夜に両親との対面を控え、アヤカたちが遊園地で束の間の時間を楽しく過ごす中、ホラー映画を作っているという２人組の韓国人男性と出会う。彼らはアヤカたちに映画に出演して欲しいと迫る。女優として成功しなかった過去を持つアヤカは気乗りがしなかった。しかし、ノリノリのサオリに巻きこまれ、渋々出演することになる。彼らは、遊園地の地下に続く閉鎖された建物へ、アヤカたちを連れて行くが…。
レビュー
エロＶシネ界で活躍してる城定秀夫監督による日韓合作のホラー映画であるが、共同脚本に友松直之監督がクレジットされており、劇中にゾンビらしき連中も出てくるので、これもまた友松ゾンビ作品の系譜の１つといえるだろう。ちなみに城定監督が誰だか分からない人は、とりあえず「レイプゾンビ」を見ておきましょう。女性たちが首輪を繋がれたフンドシ姿のレイプゾンビ相手に射撃練習をしているシーンがあったけど、そこでキンタマをフンドシ越しに撃ち抜かれていた気の毒なお方が城定監督です。なお、友松監督の方も城定監督のピンク映画「ヒン子のエロいい話」に神様の役(どんな神だ)でカメオ出演したことがあり、この２人は相当な仲良しさんであることが推測される。
物語は、韓国の遊園地へとやってきた日本人女性２人組が、自主映画の撮影をしている韓国人男性２人組に映画の出演を頼まれて敷地内にある廃虚へと入ったものの、何者かによって出入口の全てを塞がれてしまい、そこに巣食うゾンビの群れに襲われるという、「ファンハウス 惨劇の館」に代表されるような所謂“遊園地もの”であるが、この映画が面白いのは、廃虚内に無数の監視カメラが存在しており、その映像をリアルタイムでスクリーン越しに鑑賞している大勢の観客が存在しているという点である。各所のカメラをスイッチで切り替えたり、場面にあったＢＧＭを流している映画監督と思しき謎の男も別室にいて、男女グループの行動は全てこの男の手の平で踊らされているという構図だ。ちなみに観客がエロいシーンを望めば、監督の操作するスイッチひとつでエロくなるガスがどっかからブシューっと吹き出し、男女が突然セックスを始めたりする。ここまで書けばお分かり頂けるだろうが、本作の脚本は「キャビン」の完全なるパクリである。
城定＆友松コンビの作品で主演２人もＡＶ女優ときたら、どうしてもエロ方面に期待をしてしまうのが我々ボンクラ男の性というものであるが、その点、本作は大いに期待に応えてくれる。襲い掛かるゾンビは大口開けて人肉に齧り付くのかと思いきや相手を裸にひん剥いてオッパイやらお股やらをベロンベロン舐め回すし、クライマックスに至っては、実は仕掛人だったヒロインが「観客の見たいのはセックスなのよ！」と身も蓋もないメタ台詞を吐き、生存者の韓国人男性を逆レイプした挙げ句に、自分より早くイッてしまったことに逆上し、相手を絞殺して強制勃起させたチンポの上で激しく腰をグラインドさせる。そして、呆然とした表情でその様子を劇場のスクリーン越しに見ているのは彼女の婚約者。ヒロインは婚約者の浮気が許せず、彼に復讐を果たすために監督と手を組んでいたのだ。
クライマックス、観客たちによる盛大なスタンディングオベーションの中、ヒロインは劇場へと姿を現す。台本では浮気を反省した婚約者とのキスシーンで終わるようだが、そうは問屋が卸さない。ヒロインはナイフで婚約者をグサリと刺殺し、大爆笑に包まれる観客席。呆気に取られているコチラの気持ちを見透かすかのように、ヒロインがこの映画を見ている我々に向かってカメラ目線で言い放つ。「あなた、こんなくだらない映画を観て楽しいの？ホント、悪趣味なんだから」伝説のクソゲー「たけしの挑戦状」のエンディングを彷彿とさせる無情なる台詞で映画は終わる。楽しかったかどうかはさておき、エロパロ版「キャビン」としてはなかなか隙のない完成度だったといえよう。難点を言えば、ヒロインに「悪趣味なんだから」と詰られるほど、さほど悪趣味な映画でもなかったというのが本音である。印象に残るのはゾンビがオッパイやら股やらをベロンベロン舐め回すようなエロいシーンばかりであり、その後にヒロインがゾンビのチンポを切り落とすようなショックシーンでも入れてくれればラストのメタ台詞も活きてくるのに…と考えてしまう時点で、自分もだいぶ友松作品に毒されてきているのかもしれない。
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