Z‐ゼット‐
果てなき希望

監督:鶴田法男

脚本:坂巻浩史、鶴田法男

原作:相原コージ

出演:川本まゆ、木嶋のりこ、田中美晴
佐藤永典、櫻庭由加里、毛ルル、青木朋宏

ストーリー

 女子高生のあかりは、幼なじみの親友・恵に失恋を打ち明けていた。だが、他愛のない会話に興じていた2人の日常が突然、一変する。釣り人に襲いかかった男が、続いて2人にも迫ってきたのだ。絶体絶命の危機を救ったのは、1人のアイパッチ少女。凛子という名のその少女はナギナタを振りかざすと、生ける屍“Z”を真っ二つに斬り倒す。しかし、Zは頭部を破壊しても、手足だけになっても襲い掛かってくる。3人はあかりの姉で妊婦の香澄と合流。病院の最上階へ避難するが、その途中で恵が地下に転落してしまう。最上階には屈強な男・山下、公務員の平ら6人が先に避難していた。絶望的な閉塞感の中、次第に剥き出しになって行く人間性。香澄の死を賭した出産、隔絶された最上階でのソンビ化の謎、ゾンビがこの中にいるのか!?疑心暗鬼が渦巻く中、果たして香澄は無事に出産できるのか!?3人の少女と生まれてくる命の運命は…!?

レビュー

 別冊漫画ゴラクで連載中である相原コージのゾンビ漫画を、何故かゾンビ映画とは無縁な心霊映画の先駆者にして巨匠・鶴田法男が無謀にも映画化。原作は1話完結型のオムニバス形式であるが、本作では「3人の女子高生の逃亡劇」を物語の軸とし、彼女らが籠城した先の病院にて「オッパイがどうしても見たいガキどもの話」や「ゾンビ化した憧れの女性を監禁してレイプしてしまうキモオタの話」や「噛まれていない筈の生存者がゾンビ化してしまう密室劇」が絡んでくるという非常に練られた構成の脚本になってはいるものの、原作好きから言わせると色々気になる点は多い。

 薙刀でゾンビをぶった斬る女子高生キャラの凛子を、何だか口の悪い謎の眼帯キャラにしたのは鶴田監督の敬愛するジョン・カーペンター作品のスネーク・プリスキンの影響が大きいのだろうが、実は「ゴジラ」の芹沢博士も意識していたという。というのも、鶴田監督が「ゼット」の原作漫画を読んだ時に「これを映画化したら初代ゴジラに匹敵する作品になるんじゃないか」と思ったからなのだそうだが、本気でそう思っていたのならとりあえず天国の本多猪四郎に土下座した方が良いような気がする。大事な薙刀の先端にパンツを干されたら少し照れ気味に怒ったり、ゾンビとの戦闘で割とすぐ窮地に陥ってしまうような普通の女の子っぽいところが凛子の魅力でもあったのだが、映画では「バイオハザード」のアリスさながらに完璧超人なヒロインとなっており、これは原作漫画ファンとしては大きなマイナスポイントである。

 また、原作の様々な話を融合させるのは良いが、それぞれのエピソードがどれも中途半端で終わってしまっているのも実に消化不良である。実はこれには大きな理由があり、「Z」は劇場公開版である本作の他に3本のアナザーストーリーが同時に作られており、それらを見ないことには物語の全体像を把握することは出来ないのだ。つまり、この作品だけではチンコをゾンビに噛まれた少年の顛末やキモオタがゾンビとセックスするシーンは見れないのである!しかも、それらのアナザーストーリーには本作とリンクしている箇所が複数あり、当然のことながらそういった箇所は本作の映像が大量に流用されているので、続けて鑑賞すると全く同じシーンを2回も3回も連続で見てしまう羽目になるので注意が必要である。特にクライマックスでゾンビの集団がスローモーションで雪崩込んでくるシーンは本当に苦痛でしかないので申し訳ないが早送りさせてもらった。

 そういった構造上の欠陥を差し引いても、鶴田監督の起用はやはり失敗だったと言う外無く、心霊映画なら効果的である小中理論的な「溜めの演出」が、本作に於いてはただ単にテンポを悪くしてるだけであったり、中途半端なPOVがイラつきを加速させていたり、レイティングの関係なのかホラー映画好きの女子高生がチェーンソーでゾンビをバラバラにする展開では肝心なゴアシーンが一切描かれずちっともグルービーでは無かったりと、不満は次から次へと沸き出てくる。日本では貴重とも言える正統派なロメロフォロワーのゾンビ映画であるが、正直本作(+3つの番外編)を見て時間を浪費するぐらいなら、「レイプゾンビ」でも見た方がよっぽど楽しめるであろう。

 

スネーク・プリスキン+芹沢博士だそうです

 

ゾンビのおっぱいが触りたくて仕様がないガキ2人組

 

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