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レイジ34フン

監督:クリストファー・スミス

脚本:クリストファー・スミス

出演:フランカ・ポテンテ、ショーン・ハリス、
ヴァス・ブラックウッド、ジェレミー・シェフィールド

ストーリー

 深夜0時34分の最終電車に乗り遅れたケイトは、駅構内に閉じ込められてしまった。途方に暮れる彼女の前に、無人の列車が到着する。思わず乗り込むケイトだったが、同じく乗車していた知人のガイに暴行を受ける。しかし、突然列車の扉が開き、不気味な腕がガイを線路へと引きずり込んだ。異常な事態に列車を飛び降りたケイトは、警備員に救援を要請するが、その直後に警備員は何者かに惨殺されてしまう。ケイトは駅構内で暮らすホームレスのカップル、ジミーとマンディに10ドル払って助けを求める。ジミーが渋々承諾し、ケイトと共に行動するものの、その場に残ったマンディは殺人鬼の襲撃を受け、連れ去られてしまった。一方、マンディの元に戻ったジミーも殺人鬼に瞬殺され、ケイトも散々追い掛け回された挙句に捕まってしまう。

 下水施設で目を覚ますケイト。周りは檻で囲まれ、頭上では殺人鬼が黙々と不気味な作業を続けている。同じく捕らえられていた黒人のジョージと協力し、何とか不気味な牢獄から脱出を果たす。逃げ惑う2人が迷い込んだのは、ホルマリン漬けの奇形児が並ぶ廃病院の一室。そこの手術台にはマンディの無残な姿があった。彼女の死を確認したジョージは、すぐ様ケイトを連れて地下鉄へと向かう。ところがマンディは生きていた。姿を現した殺人鬼が手術着に着替えると、命乞いをして泣き喚くマンディの股間に刃物をブッ刺すのであった。

 逃亡を続ける2人に殺人鬼の魔の手が迫る。ジョージは殺人鬼と揉み合いになった末、無残にも殺されてしまった。残されたケイトは絶叫しながら逃亡するものの、殺人鬼のパンチ連打攻撃にグロッキー寸前。絶体絶命かと思われたが、決死の覚悟で鎖鎌を殺人鬼の咽元にブッ刺す。ピンと張られた鎖に始発列車が通過し、首筋が深く切り裂かれた。迸る流血。殺人鬼はついに息絶えるのであった。

 肉体的にも精神的にも限界のケイトは、放心状態で駅構内に座り込む。ボロボロの衣服はどう見てもホームレスだ。列車を待つスーツの男が彼女の側にコインを置く。あまりに滑稽な出来事に、ケイトは乾いた笑みを浮かべるのであった。

レビュー

 予告編を見る限りでは、地下鉄からの脱出をメインに据えた最近流行の「SAW」を意識したサスペンススリラーといった印象だったが、これがとんだ大間違い。いざ蓋を開けてみると、正体不明のガイキチとの鬼ごっこを延々と繰り広げる地下鉄版「悪魔のいけにえ」であった。「レイジ34フン」というおどろおどろしい邦題も嘘っぱち。下水道、病院と次々に舞台が移り変わる終盤になると、もはや最終電車もクソもない今の時代には珍しい、極めてストレートな残酷描写満載の悪趣味スラッシャーである。

 「悪魔のいけにえ」では、殺人鬼レザーフェイスの正体が最後まで謎であったが、本作でもそれは一緒。不気味な奇形児のホルマリン漬けや一枚の写真を観客に提示するだけで、クレイグの正体は一切明かされない。殺人を犯す動機すらも説明されていない。分からない故に、異様な恐怖感が本作にはあるのだ。

 ストーリーの根幹に関わる部分は描写しないくせに、手術台に拘束された女性が嬲られるシーンを長回しで淡々と写す変態的行為はまさに悪趣味の極みだ。しかもこのシーン、ストーリーの進行上に全く必要の無いシーンだったりする。観客の神経を逆撫でするような演出の多くは、やはり「悪魔のいけにえ」を参考にしているのだろう。「マーダー・ライド・ショー」や「クライモリ」など、「悪魔のいけにえ」にオマージュを捧げた作品は数多くあるものの、一番本家に近い空気感を再現できたのは、本作「レイジ34フン」なのではないかと個人的には思う。

  

      地下鉄版レザーフェイスのクレイグ           

 

      ヒロインの精神崩壊ENDもお約束ですね

 

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