スターシップ・トゥルーパーズ2 

監督:フィル・ティペット

脚本:エド・ニューマイヤー

原作:ロバート・A・ハインライン

出演:リチャード・バージ、エド・ローター、
コリン・ポーチ、サンドリーヌ・ホルト

ストーリー

 昆虫型エイリアン=バグズと人類の戦いが激化する近未来。バグズが支配する辺境の惑星で激しく交戦を続けていたシェパード将軍率いる地球連邦軍中隊は、敵の猛攻に遭い退却を余儀なくされる。すでに廃墟と化した前哨基地へと命からがら逃げ込んだ彼らは、そこで想像を絶する恐怖にされされる…。

レビュー

 前作「スターシップ・トゥルーパーズ」とは別の中隊の戦いを描いた、「機動戦士ガンダム」でいうところの「08小隊」のような作品である。冒頭、「バックドラフト」のテーマ曲を耳コピして作ったようなBGMが流れ、「スター・ウォーズ」のOPをうろ覚えして作ったようなテロップが自信無さげに登場する。この時点で既に「ん?」となるが、本編が始まると「ん?」からやがて「はあぁ?」へと変わる(何を言ってるのか自分でも不明)。

 中隊と大量のバグ軍団の激しい戦闘シーンで幕を開ける本編。しかし、何かがオカシイ。隊員達の持っている銃の先端は豆電球みたいにピコピコと点滅しているだけで、反動が全くと言っていいほど無い。硝煙の匂いが漂ってきそうだった前作の銃撃シーンとは雲泥の差である。もしかしてこれは未完成品かそんな疑問をよそに、急ピッチで進行する物語はやがて密室劇へとシフトチェンジ。今更感が漂う、寄生生物との戦いがメインとなる。その寄生型のバグも、対象と接吻することで寄生完了という、正しく80年代ティストな設定。別に嫌いな展開ではないのだが、何故それを「スターシップ・トゥルーパーズ」の続編でやるんだ?次々と生まれる疑問の数々に、私の脳味噌がバグりそうになるのだった

 何よりも、本作に決定的に欠けているのはバーホーベンテイストである。前作では作品の随所に、国民の闘争心を煽るようなプロバガンダCMをタレ流し、軍事国家としてのアメリカを強烈に皮肉ってみせたわけだが、本作にはその要素があまりに薄過ぎる。バーホーベンの手を離れた「ロボコップ」が単なるヒーローモノになってしまったのと同じように、本作もただの凡庸なSFホラー映画となってしまった。これじゃあ、炭酸の抜けたコーラと一緒。刺激が無くてちっとも美味しくないのだ。

 と、散々貶しといてアレだが、最後の最後でラズチャックもどきのオッサンが赤ん坊を撫でながら軍に入って立派に死ぬんだぞ満面の笑顔で言うシーンには少しゾクゾクと来た。その後、母親のサハラは眉をひそめながらその場を後にするのだが、もしバーホーベンが監督をしていたら、サハラも一緒になって「軍に入って一緒に戦いましょう!」とのたまい、笑顔でゴキブリをガシガシ踏み付ける爆笑エンドで締めたに違いない。

 

 「スター・ウォーズ」を100倍安くしたようなOPテロップ  

 

 

「お国のために戦って死ね」と赤ん坊を撫でる軍人

 

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