キャリー

監督:キンバリー・ピアーズ

脚本:ロバート・アギーレ=サカサ、ローレンス・D・コーエン

出演:クロエ・グレース・モレッツ、ジュリアン・ムーア
ポーシャ・ダブルデイ、アレックス・ラッセル

ストーリー

 世間になじめず孤独な高校生キャリーは、ある日自分に念動力があることに気付く。学校でのいじめや、狂信的な母の監視への怒りと共に育っていく能力。そして、ついにその力を爆発させる恐ろしい事件が起きてしまう。

レビュー

 シシー・スペイセクが偉大過ぎて、もはや誰が演じてもボロクソに叩かれるであろうキャリー役に、よりにもよってヒット・ガールを配役した結果、当然の如くミソカスに叩かれた自業自得映画。いくら血色を悪くしてイケてない服装を着せようが全然イジメられっ子に見えず、今にもドSな笑顔で指をパキポキならしながらイジメっ子連中をボッコボコにして口にタンポン詰めてプールに叩き落としそうな感じのクロエは誰がどう見てもミスキャストなので、オリジナルのファンやキング信者の皆さん(そもそも原作のキャリーはデブ)は無理に見る必要は無い作品である。というか、「悪魔の棲む家」リメイクといい「モールス」といい、名作ホラーの劣化リメイクにはクロエを配役しなければいけない規約でもあるのだろうか。

 キャストはこの際置いておくとして、映画は原作を忠実に映像化というよりは、むしろデ・パルマ版の舞台を現代に移し変えたリメイクといった印象。シャワー室でのタンポン騒動が動画投稿サイトにアップされてしまうのはいかにも現代的で面白いが、プロムでキャリーを追い詰める手段としてタンポン動画がスクリーンに大写しになるのは「キャリー2」で似たようなものを見たので新鮮味は感じられない。CGを駆使したラストの暴走シーンは見応えがあるものの、旧作では見境なくぶっ殺していた女性教師を冷静な判断で助けたり、町を丸ごとぶっ壊す原作通りのスペクタクルが見れるのかと思いきや、ガソリンスタンドが爆発する程度で終わってしまったりと、制御不能となった力の暴走具合がイマイチ描けていなかったようにも思える。

 原作でほんのり匂わせる程度だったスーの妊娠ネタを持ってきたのは良いが、本当にただ妊娠しただけで特にオチにも繋がっていないのは失笑するしかないが、実はBDに収録されているもうひとつのエンディングではちゃんとオチに繋がっていたりする。この結末を没にした理由は恐らく妊婦への配慮なのだろうが、ホラー映画の王道ともいえるこの結末の方が断然良かったようにも思える。

 

どんなにダサくしても全然イジメられっ子に見えないクロエ

 

ラストの暴走シーンはよりド派手になっている

 

 

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