キャリー2

監督:カット・シア

脚本:ラファエル・モロー

出演:エイミー・アーヴィング、エミリー・バーグル、
   ジェイソン・ロンドン、ミーナ・スヴァーリ

ストーリー

 心に思うだけで物を動かすことの出来る能力<念動力>の持ち主レイチェル。そんな彼女をみていた母は、精神に異常をきたし病院に収容されてしまう。以来、里親に育てられ、誰にも心を許さずに生きていくことを余儀なくされてしまう。そんなある日、親友のリサが自殺。少年たちの悪意が原因だった。親友の死に傷ついたレイチェルを心配した学校のカウンセラー、スーは、偶然、彼女の念動力を見てしまう。さらに、意外な事実を知り…。

レビュー

 前作から20年後に公開された続編兼リメイク的な作品。キャリーの名を冠しているが、墓場から出てきたシシー・スペイセクがゾンビとなって再登場する話ではなく、今回はレイチェルという名の少女がヒロインを務め、ほぼ前作をなぞった工夫の無い話が展開される。ちなみに1作目で生き残ったスーは成人となり、前作で言うところの女性教員ポジションを襲名。過去にキャリーを救えなかったことがトラウマとなっている彼女は、今回こそはとキャリーとよく似た少女を救済する為に奮闘するが、何せ襲名したのが女性教員ポジションなので、案の定クライマックスの無差別大殺戮のとばっちりを食らって気付いたら死んでいる。ご苦労様でした。

 部屋にマリリン・マンソンの写真を飾り、ゴス・ファッションで身を固める強気な少女のレイチェルは、前作の薄幸で虚弱なイメージだったキャリーの真逆なキャラクターなのが面白い。一応、キャリーの異母姉妹という取って付けたような設定もあるが、共通点は念動力があるということぐらいか。しかし、そんな我が道を行くレイチェルも、唯一の理解者であった親友の自殺をきっかけに徐々に暗黒面へ。アメフト試合の打ち上げ会場で上映される愛する彼とのハメ撮りビデオ大公開が、前作の豚の血バケツトラップに相当するトリガーとなってパーティー会場が血の海となる。特撮技術の進歩で殺戮場面がよりド派手なものになってはいるが、それでも20年前のデ・パルマの才能には遠く及ばず、目玉を念力で潰されたイジメっ娘がパニクって発射した水中銃が隣にいた男のタマキンを貫通する気の毒なシーンのみが記憶に残る。

 愛する者全てに裏切られ(思い込み含む)、絶望のまま死んでいったキャリーとは対照的に、愛する者の命を救うためにレイチェルが自己犠牲になるクライマックスは前作よりも救いのある結末になってはいるものの、全体的な印象としては前作から映像美を取っ払った劣化リメイクという言葉が相応しい凡作といったところ。どうでもいい話かもしれないが、クロエ・グレース・モレッツはキャリーよりも本作のレイチェル役の方がしっくり来ると思ったのは自分だけだろうか。

 

前作で生き残ったスーはスクールカウンセラーとして登場

 

特撮技術は進歩したが…イマイチ盛り上がらない

 

 

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