地獄堂霊界通信

監督:那須博之

脚本:官良幸、那須真知子

原作:香月日輪、前嶋昭人

出演:田中鈴之助、大竹隆太、中山貴将、 吉野紗香、前田憲作 

ストーリー

ケンカとイタズラが大好きな最強小学生てつしと、頭脳明晰ハンサムボーイの椎名、恐がりだけど心優しいリョーチンは、上院町でも有名なワルガキ三人組。いつもイタズラ三昧の彼らが、通称“地獄堂のオヤジ”と呼ばれている薄気味悪い薬屋のおやじに導かれて霊界へ。持ち前のパワーと正義で、人間を脅かす妖怪たちに立ち向かう!

レビュー

 東宝の「学校の怪談」、松竹の「トイレの花子さん」が意外なヒットを飛ばし、いわゆるジャリ向けホラーが流行していた90年代、今度は東映が「それならウチはコレで勝負じゃけんのう!!」とばかりに送り出して見事にスベッた悲しいくらいのゴミ映画。悪ガキ3人組が、生霊や犬神、死神を退治していくストーリーは小学生の心をくすぐるが、監督が「ビーバップ・ハイスクール」の那須博之なので、あの映画のノリをそのまま小学生の世界に持ち込んでしまった。主人公の悪ガキ3人組には敵対するグループが存在するし、中盤には彼らの首を狙う賞金稼ぎの2人組も登場する。一体お前らどんな小学校に通ってんだよとツッコミたくもなるが、死神が小学生3人の関節技で倒されるような映画なので、何を言っても無駄である。

 登場する子役達の演技は、思わずテレビの前から逃走したくなるほど酷いものだが、窓ガラスを突き破ったり回し蹴りをしたりヌンチャクを振り回したりと、アクション面においてはかなり頑張っている。それが本編で全く活かされていないのは脚本の問題だと思うが、どうせなら妖怪抜きで大真面目に小学生版ビーバップでも作ってた方が良かったんじゃないかと思う。登場する妖怪も、「学校の怪談」に比べたら圧倒的にショボイものばかりで、犬神も死神も結局は衣装をまとった普通の役者が演じているので迫力に欠ける。

 ラストは何度見ても意味不明で、死神を関節技で倒した小学生達が地獄堂に集まり、「死神も大したことねーなーw」と調子コイていると、地獄堂のオヤジが「アイツは偽物じゃ!本当の死神はすぐそこまで来ておる!」と叫びだし、玄関を突き破ってドラゴンがガオーっと姿を現す。子供達は絶叫して外に飛び出し、いきなり変な歌を歌って踊り出すダンスオチ(別にオチてない)で幕を閉じる。最後の最後まで脱力させてくれるが、何だか子供達も楽しそうに踊っているのでとりあえずオッケーなのだろう。何がオッケーなのかは知らないが。

 この問題作を撮った監督の那須博之は、後に双子アイドルを主役に起用した「ああ、おれ、でーもんになっちゃったよ」などの珍台詞が飛び出す変な映画を撮り、2005年に肝臓ガンで他界した。謹んでご冥福をお祈りするばかりだ。

 

小学生の関節技で倒される死神。どんだけ弱いんだよ

 

 

踊ってんじゃねーよ

 

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