ねらわれた学園
〈劇場版〉

監督:清水厚

脚本:佐藤嗣麻子

原作:眉村卓

出演:村田和美、柏原収史、佐伯日菜子

ストーリー

 ある日を境に、楠本和美の高校生活は変わってしまった。高見沢みちるが新生徒会長に就任してから、生徒が1人、また1人と消え、それを誰も気に止めていない。その上、“巡回パトロール”と称して生徒が生徒を監視する事態にまで発展している。異常な能力に目覚める生徒たちが溢れ返り、いつの間にか和美自身にもテレパシーの力が芽生えていた。戸惑う和美に手を差し伸べたのは、今まで和美がその存在すら気付かなかったミステリアスなクラスメイト 関だった。2人は異様な空気に包まれた学校で、来るべき戦いの渦の中心へと歩んでいくことになる…。

レビュー

 大林宣彦版のリメイク、というよりはリエンビジョニングした作品。旧作のふざけたノリは一切見られず、物語はシリアス一辺倒で最後の最後まで突き進む。脚本を書いたのが初代「エコエコアザラク」の佐藤嗣麻子なので、それなりにダレることなく安心して観ることができるだろう。しかし、如何せん語りが真面目すぎて、物語の要である超能力未来人といったワードの数々が完全に浮いてしまっているのが残念だ。佐伯日菜子が生徒を洗脳させる為に使う鋭利状の細長い武器が、ボール紙で作成したのかと危惧したくなるほどチープなのも問題だし、原作を完全無視して「ターミネーター」のストーリーを安易にコピーしてしまったのも違和感の要因だろう。超能力に目覚めた生徒達が団結して陰謀に立ち向かう展開は、薬師丸ひろ子の1人舞台だった旧作よりも好感が持てるが、特にコレといった活躍も無しに次々と消されていくので、個々のキャラの特性を活かしていたとは言い難い。

 結局のところ、記録にも記憶にも残らないような凡作である。なんだか本作を観ていると、「宇宙人?超能力者?そんなのいるわけねえじゃん、それよりひろ子タン最高!」と半ば開き直って自分の性癖をフィルムに焼き付けた大林宣彦の判断は極めて正しかったのではないかと思えてくる。少なくとも、インパクトだけはあった。

 

 

佐伯日菜子がカッコイイ。武器はショボイけどな!

 

 

旧作に比べたらSFXもマトモだが…

 

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