ウルフマン

監督:グラント・ハーベイ

脚本:クリスティナ・レイ、スティーブン・マシコット

出演:キャサリン・イザベル、エミリー・パーキンス、トム・マッカマス、ナサニエル・アーカンド

ストーリー

時は19世紀。ジンジャーとブリジットの姉妹はカナダの奥地にある森林地帯で道に迷い、彷徨い歩いていた。すると、魔術師の老婆と出会い、不吉な予言をされてしまう。それは"姉妹のどちらかがこの森で死ぬだろう"というものだった。やがて2人は森の奥に、巨大な城壁に囲まれ、厳重な警備体制が敷かれた要塞を発見する。そこで暮らす人々の不穏な様子に疑問を持つ2人だったが、その夜、その理由を知ることとなる…。

レビュー

 ロックマンのボスキャラみたいな邦題からは想像も付かないが、実は知る人ぞ知る「ジンジャー・スナップス」シリーズの3作目。ちなみに、「ウルフマンリターンズ」という本作の続編を匂わせる邦題の作品が出ているが、あれは「ジンジャー・スナップス」の直接的な続編にあたる2作目。つまり、「ジンジャー・スナップス」→「ウルフマンリターンズ」→「ウルフマン」という無駄にややこしい順番になるわけだ。日本のビデオ会社はアホですか?

 このシリーズは狼男伝説を現代風にアレンジしたものであり、全作通して同じ姉妹が主人公である。この姉妹というのがかなり個性的で、「自殺は究極の快楽なのよ!」とかぬかし、自分達が自殺した姿を収めたフェイク写真を学校の課題に提出して大喜びするような頭がファンタジアな姉妹。そんな電波姉妹の姉・ジンジャーが謎の野獣に襲われ、徐々に人狼へと変貌していく恐怖を描いたのが1作目。2作目は妹のブリジットがやはり同じ病に冒され、かつて葬った姉の幻影に悩まされることになる。そして、シリーズ3作目の本作は「フロム・ダスク・ティル・ドーン3」や「トレマーズ4」と同様、舞台を過去に移して1作目のストーリーを焼き直したような内容となっている。

 本作の舞台は19世紀のカナダ。旅の途中で道に迷い、対人狼用の罠にかった姉妹が狩人の男に助けられ、人狼の侵入を防ぐ為に作られた石垣の砦に連れて行かれる。だが人狼は内部にもいて、噛まれた姉のジンジャーは徐々に変貌していき…というもので、本当に舞台を変えただけでやっていることは1作目と全く一緒。しかし、人狼の特殊メイクは1作目から大きく進歩し、それなりの迫力を感じさせるものとなっている。また、舞台となる砦のセットが、こんな仕様も無い映画に使うのは勿体無いくらい本格的で、なんたらオブザリングやナルニアかんたら物語にそのまま流用しても違和感のないほど格好良い。

 しかし、肝心のストーリーはちょっとビミョーな出来。やはり1作目と変わりばえのしない展開を見せられても辟易してしまうし、それに加え、結末がかなり唖然とさせられる。終盤、人狼へと覚醒したジンジャーが複数の人狼を従えて砦を襲撃し、狩人がそれを迎え撃つ。1匹また1匹と敵を退治していき、さぁ次はラスボスだぁーという、魂が震えすぎてケツから飛び出ちゃいそうな熱い展開。そこまではいいのだが、そこで何を思ったのかブリジッドは狩人をサクっと殺し、人狼と化した姉貴と共に愛の逃避行を開始して物語は終了してしまう。姉妹の強い絆を感じさせる伏線や描写は確かにあったが、いくらなんでもこの結末じゃカタルシスが無さ過ぎやしないか?それともアレですか?脚本家は中二病ですか?これまで広げてきた物語を、陳腐な姉妹愛なんぞで終結させてしまうトンチキさには正直呆れてしまうが、そんなトンチキな映画のレビューを、こうして長々と書いてイイ気になってる私も、きっと重度の中二病患者に違いない。 

 

 

 オオカミ姉妹、19世紀に行くの巻 

  

                      一段と獣人役が上手くなったキャサリン

 

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