事故物件
恐い間取り

監督:中田秀夫

脚本:ブラジリィー・アン・山田

出演:亀梨和也、奈緒、瀬戸康史、
江口のりこ、MEGUMI、真魚、
瀧川英次、木下ほうか

 

ストーリー

 TV番組の出演を条件に、「事故物件」で暮らすことになった芸人のヤマメ。その部屋で撮影した映像には白い"何か"が映っていた。番組が盛り上がり、ネタ欲しさにさらなる怪奇現象を求め、事故物件を転々とするヤマメ。“事故物件住みます芸人"としてブレイクしていく一方で、次々と怪奇現象に巻き込まれてしまう。そしてある事故物件で、ヤマメの想像を絶する恐怖が待っていた…。

レビュー

 中田監督の原点回帰作『貞子』の予想外なゴミっぷりに大ダメージを負ったJホラーファンの傷が癒えぬうちに公開された亀梨クン主演のジャニーズ案件ホラー。原作はお笑い芸人の松原タニシ氏が実体験を綴ったノンフィクション書籍であるが、映画化にあたり多くのエピソードが削られており、個人的にあの本で最恐だと思ったインターフォンに映り続ける老人の話などはバッサリとカットされている…センスねえなあ!

 宣伝の時点でやたらと「恐ポップ」なる謎のキャッチコピーを強調しており、制作陣はホラーが苦手な層にも楽しめるライトなホラーを目指したのであろう。そもそも本気でガチガチの心霊ホラー作ったところで中田監督に往年の演出力が失われていることは前年の『貞子』の惨状を観れば明白。ある意味では“逃げ”とも受け取られかねない大胆な方向転換であるが、線香をフーフーしながら死神に火花をぶっ掛けるクライマックスは少々ポップが過ぎている気もする。心霊シーンの大半は子供でも恐がらないような弛緩しきったものが占めており、真面目なホラー映画ファンは観ない方が懸命であるといえよう。

 しかし、物語としての構造は割としっかりとしており、泣かず飛ばずの芸人であった亀梨が事故物件住みます芸人としてブレイクしていく成りあがり映画として観るとこれが意外にも悪くない。身の危険を省みず地位と名誉の為に暴走していく主人公を支える献身的なヒロインを奈緒が演じており、この2人が織りなすドラマもベタベタではあるが演者の力もあって安心して観ていられる。また、事故物件エピソードの中でも老いた母親を虐待するこどおじのシーンの熱量だけが明らかに狂っており、全く心霊的なシーンでは無いにも関わらず劇中屈指の不気味さを誇っている。どこに力入れているんだこの監督…。

 

全然「恐ポップ」じゃない虐待シーン

 

心霊シーンは…まあ、全編こんな感じです

 

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