禁断の惑星
エグザビア

監督:アラン・ホルツマン

脚本:R・J・ロバートソン、ジム・ウィノースキー

製作総指揮:ロジャー・コーマン

出演:ジェシー・ヴィント、ジューン・チャドウィック、
ドーン・ダンラップ、フォックス・ハリス

ストーリー

 事故が発生した惑星エグザビアへ向かうよう本部から指示を受けたマイクは惑星へ直行する。そこは遺伝子工学をベースに人類を救う食物が開発されていたが、その過程で新種の怪物が生まれ研究室を破壊、繭状になり遺伝子構造を変えつつ成長していた…。

レビュー

 ロジャー・コーマン指揮のもと、有り合わせのセットを再利用して僅か20日間で作られた「エイリアン」の便乗作。宇宙の保安官である主人公が訪れた研究所では、食糧難を解決するために人工フードを開発していたが、色々と余計なことをしてしまった結果、「エイリアン」のゼノモーフの特徴であるチンコ頭を過剰にクローズアップさせたような不細工モンスター・メタモーフが誕生してしまった。研究所という密室を舞台に、主人公と研究員はメタモーフの退治に乗り出すが、犠牲者は増えるばかり。おまけに本家ゼノモーフの血液が酸性で非常にクセが悪かったのに対し、本作のメタモーフは唾液に“プロトB”と呼ばれるバクテリアが入っており、それに触れた者は遺伝子が変化し、金曜日の終電間近のホームで頻繁に見かける酔っ払いのゲロみたいな姿に変異してしまうのだ。このゲロはメタモーフ専用の餌であり、食べても食べても無限増殖する「ドラえもん」のバイバインみたいな夢の食料なのだが、こんな生きた無限もんじゃ焼きみたいな姿にされてしまう犠牲者は、ゼノモーフの酸で溶かされる連中よりも遥かに悲惨である。

 そんな極悪モンスターとの攻防は「エイリアン」と比較するのも失礼なほど緊張感の無い安定のコーマン品質であるが、濡れ場の多さだけは本家を圧倒的に上回っており、とにかく出てくる女優がことあるごとにスッポンポンになる中でも主人公と女性助手の絡みはある意味この映画最大の山場といっても過言ではなく、2人が激しくセックスをしている様子を監視モニター越しに恨めしそうな顔で見ている警備員は我々観客の姿に他ならない。何処からともなく流れる気怠いBGM。警備員はセックスを出歯亀しながら、左右の糸を引っ張ると中央のコマが光って回るオモチャで遊びだす。ヒュイーンと鳴るコマの回転音がBGMとセッションを開始し、画面は2人のセックスとコマを回す警備員を何度も何度も交互に写し出す。BGMは盛り上がり、サックスのソロパートへ。しかし、そのサックスは、黒人の研究員が別室で吹いているものだった。セックスとサックス、まさかの駄洒落である。その時、警備員をメタモーフが襲う。死ぬ直前、「ああ、俺もセックスしたかったなぁ」と言わんばかりに、2人のセックスが警備員の脳裏を激しくフラッシュバックする…長々と書いてみたが、この一連のシーンに一体何の意味があったのかは永遠の謎である。

 また、リドリー信者の皆様にはどうか落ち着いてこれから話す事実を受け入れて欲しいのだが、リドリーは「プロメテウス」本作を参考にした可能性が俺の中で浮上している。まず、本作が誕生した経緯から説明するが、コーマンは「ギャラクシー・オブ・テラー」でジェームズ・キャメロンが手掛けたセットを再利用し、「アラビアのロレンス」の宇宙版を作ろうとしていたが、その話が二転三転して「エイリアン」便乗作の本作が出来上がったらしい。さて、「アラビアのロレンス」と聞いてピンと来た方もいるだろうが、プロメテウス」冒頭でアンドロイドのデヴィッドが観ていた映画が何と「アラビアのロレンス」である。更に、主人公の相棒ロボットがベートーベンの流れる船内を歩き出すシーンは、「プロメテウス」でデヴィッドがショパンの流れる船内を歩くシーンに明らかに影響を与えているし、前述したセックス中に黒人がサックスを奏でるシーンにしても、プロメテウス」でアコーディオンを弾いていた黒人船長がシャーリーズ・セロンにセックスに誘われるシーンと共通した意味の分からなさ感じる。極めつけは手術だ。本作では麻酔なしで癌細胞に冒された肝臓を雑な手術で取り出す超痛いシーンがあるが、「プロメテウス」でもヒロインがセルフで帝王切開する超痛いシーンがある。お分かり頂けたであろうか、コーマンに「エイリアン」をパクられたリドリーは、「プロメテウス」で密かに仕返しをしていたのである。信じるか信じないかは貴方次第。興味のある方は、是非じっくりと両作を見比べて欲しい。

 

メタモーフの唾液を浴びた者は生けるゲロになってしまう!

 

とにかく女優がやたらめったら脱ぐ!

 

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