プロメテウス

監督:リドリー・スコット

脚本:ジョン・スぺイツ、デイモン・リンデロフ

出演:ノオミ・ラパス、マイケル・ファスベンダー、
ガイ・ピアース、シャーリーズ・セロン

ストーリー

 科学者エリザベスが、地球上の時代も場所も異なる複数の古代遺跡から共通のサインを発見した。それを知的生命体からの<招待状>と分析した彼女は、巨大企業ウェイランド社が出資した宇宙船プロメテウス号で地球を旅立つ。2年以上の航海を経て未知の惑星にたどり着いたエリザベスは、冷徹な女性監督官ヴィッカーズ、精巧なアンドロイドのデヴィッドらとともに砂漠の大地にそびえ立つ遺跡のような建造物の調査を開始する。やがて遺跡の奥に足を踏み入れたエリザベスは、地球上の科学の常識では計り知れない驚愕の真実を目の当たりにするのだった…。

レビュー

 初代「エイリアン」のリドリー・スコット監督が満を持して製作したビギニングもの。リドリー自身は、キャメロンの「エイリアン2」だけは唯一出来の良さを認めているものの、その他の続編やAVP」のような関連作には辛辣な意見をすることが多く、これ以上自分の生み出した可愛いエイリアンちゃんが何処の馬の骨とも知れぬバカ監督にレイプされていくのに耐えきれなかったのかもしれない。特に本作は、ファンが長年熱心に考察をしていた「エイリアン」劇中に登場するスペース・ジョッキーと呼ばれるミイラ化した長身の宇宙人の正体が遂に明かされるのではという噂もあり、公開前からリドリー信者に大きく注目されていた作品である。ところが、日本の宣伝では「エイリアン」の名前を一切出さず、人類の起源」をキーワードに頓珍漢なプロモーションを行っていた為、映画館に足を運んでから初めて「エイリアン」の続編であることを知った人も多く見受けられた。また、本作のヒロインの吹替は演技力に問題のある剛力彩芽が担当しており、じゃあ字幕で見ようとすると字幕担当が翻訳力に問題のある戸田奈津子であった為、映画ファンは地獄の二択を迫られるという、リドリーの知らぬところで様々な問題が生じていたことも記憶に新しい。

 さて、肝心の映画の中身であるが、これが残念ながら手放しで絶賛出来るような内容でもなく、全体的に説明不足感は否めない。もっとも、「ブレードランナー」に代表されるように、リドリーは観客に分かりやすい映画を作る人ではなく、劇中の様々な謎をファンがあれこれ勝手に考察して楽しむというスタンスが確立されているのだが、冒頭でエンジニアと呼ばれる筋骨隆々としたスキンヘッドの白いオッサンが黒い水を飲んで体が木端微塵に崩壊していくシーンひとつ取っても、その絵面があまりにもエキセントリック過ぎて考察云々の前にただただ唖然とさせられる。基本的なプロットは「エイリアン」を踏襲して進行していくものの、シリーズお馴染みのアンドロイドがクルーの1人をエイリアンの実験台にする理解不能の展開に全く説明が無いし、登場するクリーチャーもハエ叩きみたいな形をしたミミズやでかいイカといった具合に、ギーガーの美学からは遠くかけ離れたB級テイスト溢れる不細工モンスターばかりなのもコレジャナイ感が非常に強い。

 また、リドリー信者の皆様には怒らずに俺の話を聞いてほしいのだが、本作はあまりに「AVP」と話が似すぎているのではないか。何をバカなことをと思うかも知れないが、どうか落ち着いてこれから話す事実を受け入れて欲しい。まず、両作には太古から人類に多大な影響をもたらしたが登場する。「AVP」では人類に文明を与えたプレデター、「プロメテウス」では人類を創造したエンジニアだ。探検隊は神を求めて迷路のように入り組んだ未開の地へと赴くが、隊を率いているのはどちらも余命幾ばくもないウェイランド社の社である。そして、探検隊は神の存在とは違うエイリアンに遭遇する。「AVP」ではプレデターが地球に持ち込んだもので、「プロメテウス」ではエンジニアが作り出した生物兵器。どちらも神の所有物であるが、結局は管理しきれずに神は自らの所有物によって多くの犠牲を出してしまう。ウェイランド社長は神と対峙するが、どちらも神の逆鱗に触れて殺される極めつけはオチの部分だ。神の死体の腹を突き破って生まれる新たな生命。「AVP」ではプレデリアン、「プロメテウス」ではディーコンと呼ばれるエイリアンのプロトタイプである。お分かり頂けたであろうか、「プロメテウス」は「AVP」のプレデターを白ハゲに替えただけの映画なのである。AVP」を「金儲けの為に作ったどうしようもない映画」と切り捨ててみせたリドリーが「AVP」ほとんど同じ映画を作ってしまったという事実は、人類の起源なんぞよりもよっぽど興味をそそられるミステリーではないだろうか。

 

何ですか、このハエ叩きみたいなフェイスハガーもどきは

 

巨大イカvs白ハゲ

 

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