クリープショー2
怨霊

監督:マイケル・ゴーニック

脚本:ジョージ・A・ロメロ

出演:ロイス・チャイルド、ジョージ・ケネディ
ドロシー・ラムーア、トム・サビーニ

ストーリー

 ホラーが大好きな少年ビリーが漫画雑誌「クリープショー」を開くと再び始まる世にも怪奇な物語―。ひなびた町の雑貨屋で経営者の老夫婦を殺した3人組の強盗に木彫りのインディアン人形が復讐を果たす(第1話)。湖で水泳を楽しむ4人の若者たちが油膜状の怪物に襲われる(第2話)。不倫帰りに車でヒッチハイカーを轢き逃げした人妻が体験する恐怖の一夜(第3話)。

レビュー

 スティーブン・キング原案、ジョージ・A・ロメロ脚本、そして、トム・サビーニが「世にも奇妙な物語」のタモリ的ポジションで出演をした悪趣味オムニバス。監督ロメロ、脚本キング、特殊メイクがサビーニという、各巨匠が己のフィールドで完璧な仕事をこなしていた前作に比べると若干のパワーダウンは否めないものの、2話目の「殺人いかだ」が前作のゴキブリ級のトラウマ作品であるが故に、未だ多くのファンから愛されている作品である。

 1話目「木彫りのインディアン人形」は、雑貨店を営む善良な老夫婦が極悪非道な強盗に殺されてしまうが、店の入口に展示してあった木彫りのインディアン人形が何故か急に動き出して強盗に殺戮の倍返しをする、いわゆる“人形が襲ってくる系”のホラー。動く木彫り人形の特殊メイクはよく出来ているが、その反面肝心の殺戮場面をあっさり済ませ過ぎている気もするし、ゴア描写も皆無に等しいので特に印象に残らない話である。

 2話目「殺人いかだ」は、キング版「13日の金曜日」と評されることも多い短編「浮き台」の映像化。湖に浮かぶ筏で遊んでいたバカな若者グループが謎の生物に1人、また1人と殺されていくありがちな内容の話であるが、その生物とやらが水面を漂うだけの巨大な油の膜。どう見てもただの産業廃棄物だが、湖に落ちて油膜に触れてしまった人間は見る見るうちに取り込まれ、体中を溶かされて死んでしまう。逃げ場の無い筏の上でひたすら立ち往生するという絶望的な状況や、あの大人しい1話目は何だったのかと思いたくなる程の壮絶なゴアシーン、スラッシャーホラーでは絶対に最後まで生き残る清楚系ヒロインが真っ先に餌食になる意外性のある展開など、今見ても古臭さを感じさせない傑作エピソードである。

 3話目「ヒッチハイカー」は、前方不注意でうっかり轢いてしまったヒッチハイカーがゾンビとなって何度も何度もヒッチハイクをしながら復讐するギャグのようなエピソードであるが、実際にキングが車に撥ねられ、そのドライバーも43歳という若さで突然死してしまった今となっては割とシャレにならないお話である。

 

殺戮場面が大人し過ぎるのが不満な1話目

 

轢かれても轢かれても蘇る!恐怖のヒッチハイカー

 

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