スパイダーズ

監督:ゲイリー・ジョーンズ

脚本:スティーブン・ブルックス、
アダム・ギーラッシュ、ジェイス・アンダーソン

出演:ラナ・パーリラ、ジョシュ・グリーン、オリバー・マクレディ

ストーリー

 NASAが発射したスペースシャトル。宇宙飛行士たちは極秘の研究を行なっていた。それは無重力状態で、蜘蛛にエイリアンの血液を注入するという何の役にも立たなそうな実験しかし実験中、暴れだした蜘蛛によりシャトルは墜落してしまう。墜落現場に偶然居合わしたマーシーとその友人たち。大学新聞部である彼女達は、特ダネを狙うためだけにシャトルの中へと潜入する。すると、そこへ政府のエージェントを乗せたヘリコプターが飛んできた。マーシー達はシャトル内の死体と共に、極秘施設へと運ばれる。

 施設内では予想外の出来事が起こっていた。乗員の死体の口から、巨大な蜘蛛が現れたのだ。蜘蛛は次々に研究員を惨殺し、マーシーの仲間も蜘蛛の毒牙にやられてしまう。ぶちきれたマーシーは政府のエージェントであるマーフィー(ややこしい)を見つけ、いきなり喧嘩を売る。なんか知らんが仲良くなったマーシーとマーフィーは蜘蛛を撃退し、この真相を記事にするために大学へと向う。しかしそこには政府のエージェントが待ち構えていた。実はコイツ、あの巨大蜘蛛に卵を植え付けられていたのだ。エージェントの体を突き破り登場する蜘蛛。時間が無いので数秒で巨大化する不条理さに大学のキャンパスは大混乱に包まれる。

 手当たり次第に破壊行為を繰り替えす超巨大蜘蛛を追い、夜空をヘリコプターで駆け回るマーシーとマーフィー。マーシーはヘリに積まれていたロケットランチャーをぶっ放し、超巨大蜘蛛を撃破することに成功する。返り血を浴びて勝利の雄叫びをあげるマーシー。やったぜマーシー!イエーーイ!

 レビュー

 世の中には2種類のB級映画が存在する。大真面目に作ったが、大幅な予算不足や製作者の技術が極端に低いなどの理由からか結果的にゴミ映画と化してしまった天然型と、ハナっからウケ狙いでゴミ映画を作った確信犯型である。分かりやすい例を挙げるならば、天然型は「プラン9フロムアウタースペース」に代表されるエド・ウッド絡みの映画や、キャメロンの黒歴史映画の「殺人魚フライングキラー」などがあり、確信犯型は「アタック・オブ・ザ・キラートマト」や「いかレスラー」などである。

 本題に入ろう。本作「スパイダーズ」だが、これは完全に確信犯型である。一見すると、チープなCG、無駄なグロ、トロ過ぎる展開など天然型のツボを押さえてはいるが、ラスト15分前で訪れる投げやり気味な大暴走で印象がガラリと変わった。僅か数秒の内に巨大化する蜘蛛、笑いながら逃げ惑う人々、巨大蜘蛛の口にピンポイントでロケットランチャーを撃ちこむヒロイン(しかも片手で)。この時点でもしや、この映画…と思ったが、その後、ヒロインの勝利の雄叫びで唐突に幕が閉じる無責任な結末とエンドロールのあまりに能天気なふざけた脱力ソングで疑惑は確信に変わった。これらは全て巧妙な計算だったのだと。脚本に参加しているアダム・ギーラッシュとジェイス・アンダーソンの2人は、後にトビー・フーパーやダリオ・アルジェントといった巨匠の作品も手掛けることになる新鋭の脚本家コンビであるが、恐らくホラー映画は数多く研究しており、本作では往年のB級モンスターパニック映画の再現を狙っていたに違いない。

 

普通にロケットランチャーを使いこなしている新聞部の女

 

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