「超」怖い話A 闇の鴉

監督:星野義弘

脚本:小林弘利、星野義弘

出演:佐藤寛子、穐葉恭子、岩尾隆明、高橋修、三谷悦代
寺島進、平山夢明

ストーリー

 女子高生の奈緒は、情緒不安定気味の中年夫婦がオーナーを勤める怪しいコンビニでアルバイトをしていた。ある日、事故で大怪我を負った大手チェーンの営業マンに代わり、後輩の涼子がコンビニにやってくるが、涼子はオーナー夫妻に散々厭味を言われた挙句、店の棚卸作業まで手伝わされる羽目になる。そんな涼子に同情する奈緒は、次第に彼女と打ち解けていくのだった。

 その頃、コンビニの周辺では不可解な事件が起こり始める。会計の合計がゾロ目になった客に降りかかるあまりに理不尽な惨劇。巨大なハンマーを持った包帯男に襲われる者、銭湯で番台のジジィに殴り殺される者、冷蔵庫から出てきた幽霊を包丁で切りつけようとして彼氏に誤爆する者…。奈緒の友人である夜勤の小森も、フードを被った男に喰われ、精神崩壊を起こす。ある時、奈緒と涼子は謎の老女と出会い、あの店が「呪われた地」であることを知る。こんな職場では働けん!奈緒は虚ろな目で働く小森をとっとと救出し、涼子と共に呪われし場所を跡にするのだった。

  レビュー

 「超」怖い話というよりは「超」理不尽な話。買い物の合計金額がゾロ目になってラッキー☆と無意味に喜んでしまった経験は誰にでもあるだろうが、この映画ではラッキー☆どころの騒ぎじゃない。変質者に追っかけ回されハンマーで撲殺されたり、冷蔵庫から突然知らない女が現れたりするのだ。これを理不尽と呼ばすしてなんと呼ぼう。しかも、物語が進むに連れて理不尽オーラもグイグイ上昇し、仕舞いにはアルバイトの青年が客のフードに食われたりする(下写真1枚目)。実際にフードに食われた経験のある人にとっては身も凍るシーンだろうが、そうでない人にとってはただの一発芸である。しかも大して面白くないときた。それ以外にも、本作には怖い場面なのか笑う場面なのか、全く判別出来ない高度な恐怖シーンが満載なので、「怖い映画観よっかな〜♪」みたいな軽い気持ちでレンタルすると、次々と繰り広げられるシュールの洪水に飲み込まれて溺れ死ぬこと必至である。

 こんなシュール劇の中、唯一「超」怖いと思わせてくれたのが、幽霊と間違えて彼氏をウッカリ惨殺してしまった女の末路だ。結局、彼女はコンビニの袋を被って自殺を遂げるのだが、その後に写しだされる彼氏との記念写真が怖い。彼女の顔が不自然に歪んでしまっているのだ(下写真2枚目)。「リング」以降のジャパニーズホラーではお約束の展開ではあるが、バックに流れる“G線上のアリア”のミスマッチさも相まり、妙にゾッとさせられるシーンである。

       

フードに喰われる店員さん。「超」シュールな光景

 

うん、この写真は「超」怖い

 

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