うずまき

監督:Higuchinsky

脚本:新田隆男

出演: 初音映莉子、フィーファン、佐伯日菜子、
シ・ウンギョン、高橋恵子、大杉漣

ストーリー

 女子高生・桐絵の住む黒渦町の高校で、ある男子生徒が螺旋階段から落ちて死亡するという事件が起こった。それを幾に、町では“うずまき”の呪いが降りかかる。桐絵のボーイフレンドである秀一の父親がうずまき状の物の収集に精を出すようになり、やがては自らの体を洗濯機の中に入れて自殺する。秀一の母親もまた、体中のうずまき(指紋、旋毛)をそぎ落として自殺し、2人を火葬する煙は空で巨大な渦を形成した。呪いは次々と広まり、クラスメイトが巨大カタツムリになったり、髪の毛が異常にカールするなどの怪奇現象を引き起こすまでになった。やがてボーイフレンドの秀一もまた…

レビュー

 うずまきに呪われた町“黒渦町”を舞台に繰り広げられる奇妙な出来事の数々を描いた超不条理ホラー。うずまきに呪われるという訳の分からない発想の原作からして相当おかしな作品であったが、映画の方も負けていない。いや、むしろ原作以上に理解不能な作品に仕上がっているといっても過言ではない。

 まず主役2人の演技が既におかしい。演技のド下手な俳優を指して「学芸会レベル」という言葉をよく使うが、この2人の演技は学芸会とかそういう次元の話ではなく、日本語の発音すら怪しいシーンが普通にある。まぁ、秀一役の俳優(フィーファン)はマジで日本人では無いようなので仕方が無いといえば仕方が無いのだが、純正日本人であるはずの桐江(初音映莉子)までもが所々カタコトみたいな台詞になっているのは笑うしかない。しかし、ルックス自体は正統派美少女といった感じで、原作の桐江のイメージにピッタリだったのは良かった。

 おかしいのは演技だけではない。びっくりさせることが趣味の男子学生に付き纏われている桐江を見た友人の志穂(三輪明日美)が、「あ、ひょっとしてコレ?」といって制服のスカートの両端を手で持つ不可解なシーンがあるが、スカートとストーカーを掛けたダジャレであることに気付いたのは随分後になってからのことである。他にも驚くシーンでわざわざ役者の目玉をCGで大きくさせる世界一無駄なVFXがあったり、原作には登場しない新聞記者が、様々な手掛かりを集めて真相へと近付いていく映像を意味深に挟み、ついに重要な手掛かりを掴んだ次の瞬間に車で事故って即死する展開があったりと、映画の定石を踏み外しまくる作風は好みが激しく分かれそうだ。

 しかし、イトジュンの映画化作品の中ではそれなりに予算があったのか、原作の再現度はかなり高い。うずまきの呪いにより、学校のクラスメイトが巨大カタツムリに変異するくだりや、火葬場の煙が巨大な渦を巻いて池の中に吸い込まれていくシーンなど、原作の悪夢のような光景を見事映像化していた。どうせなら、呪いの元凶であるトンボ池のうずまき遺跡もCGで登場させてほしかったのだが、あの怒涛のクライマックスを再現するとなると、それこそ莫大な予算が必要になるので、無いとは思うが近年流行のハリウッドリメイクに期待したい。

 

 

  うずまきマニアのオヤジは両目をグルグルと回す     同じくうずまきに憑かれた女子。髪の毛のカールが異常

 

   クラスメイトは巨大なカタツムリへと変異する           最後はヒロインの彼氏までもが…

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