富江
REVENGE

監督:及川中

脚本:及川中

出演: しらたひさこ、美波、
嶋田久作、伴杏里

ストーリー

 女医の和江は、深夜の山中で、失踪した診療所所長・富樫の娘に瓜二つの少女を見かける。和江は彼女を追いかけた先の洋館で、瀕死の少女・雪子を偶然に発見する。それから1年後、すっかり元気を取り戻した雪子にも診療所を去るときが訪れようとしていた。そんな矢先、和江の元へ刑事が訪ねてくる。人の細胞に乗り移ることができる富江という少女を探している言い、1年前に山中で見かけた少女の写真を見せた。富江の特徴は左目下のホクロ。もし、富樫の娘の肉体が富江に乗っ取られてとしたら、オリジナルの富江がどこかに必ずいるはずである。そのオリジナルは!?確実に、そして静かに、悪夢は和江の背後に忍び寄ってきていた。

レビュー

 「富江BEGINNING」と同時公開された作品で、監督も同じく及川中。「リベンジ」というタイトル通り、原作の「富江・復讐」をベースにしているが、舞台が雪山から普通の山奥に変更されている。これは恐らく予算の都合上での変更なのだろうが、その割には富江が特Aクラスのテロリストだとか、国家の安全の為に富江を殺すだとか、原作のエピソードを膨らませ過ぎて盛大に破裂した脚本は到底予算に見合っておらず、もはや何がしたかったのかサッパリ分からない。どちらかというと貴重な時間を浪費した挙げ句に心に深い傷を負ったコッチが監督にリベンジしたくなるが、本作を鑑賞すればあの「富江BEGINNING」すらもマシに思えてくるという点では存在意義のある作品なのかもしれない。富江役を演じた伴杏里なる女優は富江のイメージ云々の前にまず演技が出来ておらず、富江役を演じるのはハードルが高過ぎたようにも思える。

 前述した通り脚本は無駄にスケールが大きい上に話の辻褄も合っておらず、更に追い打ちを掛けるかの如く及川流のワケが分からないユーモアも加わって問答無用で歴代最低レベル。特に終盤で「男が世界中から居なくなれば戦争もなくなるわ!悲惨なテロも戦火の犠牲になる子供たちもずっと減るのよ!」と富江が高らかにラブ&ピースを訴える場面は今までの富江像を根本からブチ壊しており、及川が原作漫画を微塵も愛していないことが分かる。今まで男を虜にして破滅へと導いていた動機が「世界平和の為」って…もうちょっと健全な方法で世界平和に貢献しろよと言いたくなってしまう。オチに至っては1作目の「実はヒロインも富江でしたオチ」を使い回しており、及川の底の浅さが窺い知れる。個人的な意見であるが、この監督には2度と富江の映画に関わって欲しくない。

 

   

  今までの富江像を木っ端微塵に粉砕する伴杏里版富江     こういう意味の分からないシーンが多い

 

 

    内臓を食らう富江。これは原作にもありました       実はヒロインも富江だった…1作目のオチの使い回し         

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