押切
劇場版

監督:佐藤善木

脚本:佐藤善木

出演:徳山秀典、 初音映莉子、本田大輔、
チェ・シアン、田口トモロヲ、天本英世

ストーリー

 悪夢に悩まされている自閉的な性格の高校生・押切トオルは、クラスメイトの未央に超常現象研究会のメンバーを紹介され、かつて物理学者の祖父と暮らしていた旧押切邸で怪奇現象があったことを知る。自らも邸に興味を抱いていた彼は、廃墟同然の邸を10年振りに訪れるが、そこで夢の中に出てくるガスマスクをした人物を目撃。そしてそれ以来、彼に奇妙な噂が立つようになるのであった。それは、最近学校周辺に出没するガスマスクの連続殺人鬼“墓掘人”の正体が、トオルではないかというものであった…。

レビュー

 平行世界を題材に扱ったSFホラー。原作は未読であるが、パラレルワールドの自分はクラスメイトを平気で惨殺する殺人鬼だった…という設定は如何にもイトジュンらしくて良い。

 映画の方は、よくこれで劇場公開したもんだと感心するくらいの低予算っぷりで、肝心の殺戮シーンも凶器の斧がその辺のオモチャ屋で手に入りそうな代物だったり、犠牲者の生首が役者に似ていない上に雑な作りだったりと、見れば見る程ガッカリしてくる悲惨な出来。最大の見せ場ともいえるクライマックスの対決で月光をバックに主人公が飛来してくるシーンも、シチュエーション的には震えるほど格好良いシーンなのだろうが、合成技術のあまりの酷さに違った意味で震えがくる。これをうっかり劇場の大スクリーンで観てしまった人は、さぞかしホラーな目にあったことであろう。

 「うずまき」で驚異の大根芝居を披露した初音映莉子が再びヒロイン役で登場しているが、流石に芝居慣れしてきたのか比較的自然な演技を披露していて思わず感心してしまった。押切役の徳山秀典も、“内向的な美少年”という設定とは大分掛け離れているビジュアルだが、落ち着いた芝居で安心して見ていられる。だが、それ以外の“超常現象研究会”のメンバーの演技が、ウケ狙いでやっているのかと危惧したくなるほどの大根揃いで、ただでさえ穴だらけの映画に更に巨大な穴を穿つ。そんな中、名優の天本英世が1人だけガチンコ芝居をしているのだが、彼がどのような経緯でこの映画に出演したのか、本人が亡くなった今となっては永遠の謎である。

 

 

     原子より小さい物質、それはメビウス…            謎の殺人鬼“墓掘人”。その正体は…

 

      何とパラレルワールドの自分だった        墓掘人を葬る為、覚醒する主人公。すごく…チープです

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