顔泥棒

監督:中西健二

脚本:中西健二

出演:安藤希、坂本三佳、山口あゆみ、
忍成修吾、片岡礼子、木下ほうか

ストーリー

 この女になりたい!と強く願い、着るものや話し方を真似ているうち、その女の顔になってしまう不思議な能力のある亀井桃子。そんな秘密を知らず「私と付き合って」と、桃子の執拗なストーカー行為に辟易していた孝文は、ついに沙也香というガールフレンドがいることを告白してしまう。それが、孝文と沙也香にとって、恐怖の日々の幕開けとなることも知らずに…。

レビュー

 気に入った相手と接触することで、自分も同じ顔になることができる“顔泥棒”の恐怖を描いた作品。相手の姿をコピーするという設定は若干の古臭さを感じさせ、奇抜なアイディア揃いのイトジュン作品の中では割と地味な印象を受ける。そもそも原作からして相手の顔を盗みまくった少女が最後は学校ぐるみのイジメに遭い顔面が怪物みたいに変異して終了という一発ギャグのような作品なのに、何故そんな話を90分の実写作品にしたのか理解に苦しむ。

 主演は「バトル・ロワイアルU」の忍成修吾と、「さくや妖怪伝」の安藤希。どちらも感情的になるシーンで演技が腰砕けになるのが気になるが、それ以外は地に足の付いた芝居で地味な物語を地味な感じで無難にこなしている。顔泥棒役の山口あゆみも、出番が極端に少ない(相手の顔を盗むので役者自体も変わる)割には、憎たらしい芝居が印象的で、同じ事務所の先輩だという菅野美穂(富江)に負けず劣らずの名演であった。これでもう少し話が面白ければ…!

 ラストは原作通りのオチかと思わせといて、主人公が自分の顔を失った顔泥棒に救いの手を差し伸べるという展開が追加され、原作の衝撃的な結末をブチ壊して唐突にイジメ、カッコ悪い的なメッセージを提示して終わってしまう。気持ち悪さだけが売りのイトジュン作品に陳腐なメッセージを盛り込むのは愚の骨頂なので、これは完全に蛇足であるといえる。

 

 

気に入った相手に接触するとソックリの顔になる“顔泥棒”         次々と顔を変えてやりたい放題

 

  ついにクラスメイト達の逆襲が始まる。これでどうだ!    泣き叫ぶ顔泥棒。最終的にこんな顔になりました

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