新生トイレの花子さん

監督:堤幸彦

脚本:高橋洋

出演:前田愛、浜丘麻矢、大村彩子、
野村佑香、笠原秀幸、萩島真一、長野博

ストーリー

 倉橋里見は11年前に失踪した姉と同じ中学へ入学する。この学校には「花子さん」が出るという噂があり、里見は何か不吉なものを感じる。そして数日後、霊感能力があるという間宮悦子と友人数名と共に行なったコックリさんが元で、学校に悪しきモノが解き放たれた。果たしてそれは花子さんなのか…?

 

レビュー

 今や「ケイゾク」「TRICK」といったTVドラマですっかり売れっ子となってしまった堤幸彦が手掛けた子供向けのホラー作品。いきなりネタバレになってしまうが、本作に“花子さん”は1秒たりとも登場しない。諸悪の根源とされているのは、目的も分からずひたすら生徒達を付け狙う人形である。敵の正体や目的が全く不明瞭なだけに、本作の恐怖度は意外にも高い。しかし、それが全体の面白さに貢献しているのかと言うと、それがそうでもないのだ。

 一番の問題点は、前田愛演ずる主人公が全くの役立たずだという点に尽きるだろう。霊能者の女教師と男友達が人形相手に奮闘している中、彼女が何をしているかと思えばキャーキャー騒いでいるだけ。結局何ひとつ自分で解決しないまま、物語はハッピーエンドを迎えてしまう。せめて、人形の入った棺の蓋を閉める役割は彼女にやってほしかったのだが…。

 実は本作と、ジャパニーズ・トラッシュの傑作「発狂する唇」には意外な共通点があるというのをご存知だろうか。両作の主人公は共に“倉橋里見”であり、主人公に接触する霊能者の名前が“間宮悦子”なのも一緒。両作の脚本を手掛けた高橋洋の単なるお遊びなのだろうが、本作では地味で大人しいヒロインだった里見が数年後、玄関で豪快にゲロを吐いたり、下手糞な歌を歌ったり、大股開きでアナルを犯されたり、カンフーで大暴れしたりする大成長を遂げるのかと思うと嬉しいのやら悲しいのやら、何とも複雑な心境である。

 

「新生トイレの花子さん」の倉橋里見

 

数年後、「発狂する唇」の倉橋里見

 

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送