ワールド・デッド

監督:デモン・クランプ

脚本:デビッド・タルボット

出演:ギギ・エレネタ、ジョー・トッキシー、
ジェイソン・ハーパー、スティファン・リー

ストーリー

 アメリカ。有毒ガスを運搬中の列車が事故を起こした。辺りはガスが充満し、人間をゾンビに変えていった。その被害は加速度的に増えつづけたが、まだまだ事態を把握していない人々もたくさんいた。いつもより静かな朝をむかえたサムとジェニーの夫婦。ジェニーは買い物に出掛けるが、ショッピングセンターはゾンビで溢れていた。同じ頃サムは、弟のニックのガールフレンドがゾンビとなり、闘っていた。サム、ジェニー、ニックは車で近所の避難所に逃げ込むが、ここでは人々がパニック状態で争いの絶えない事態となっていた。やがてゾンビたちはこの避難所にも大挙して押し迫るのだった。

レビュー

 「ウォーキング・デッド」を盛大にパクったイラストと、「WOLRD DEAD」とバカ丸出しのスペルミスをしたタイトルがデカデカとプリントされたジャケットの先制攻撃で早くも見る気力が削がれるが、中身は極めて真面目に作られた「RISEN」という原題の超低予算ゾンビ映画。ジャケットやチャプターメニュー、日本版予告編などは全て「WOLRD」という間違った英単語で統一されており、恐らくJVD社員は本気で「WORLD」の綴りを分かっていないことが推測される。何年経っても変わらぬ安定のJVDクオリティ。最近では「ハロウィン」や「死霊のしたたり」などの名作ホラーをブルーレイでリリースしているが、何だか色々と心配になるので下手に手を出さないで欲しい。

 ある日、突然ゾンビアウトブレイクが発生し、主人公である夫婦ははぐれた娘を探す為に避難所を目指す…というありきたりな話であるが、低予算にしてはゾンビエキストラの数が異常に多く、それなりに緊張感のある仕上がりになっている。ゴア描写に関しては流石にチープな印象が拭えないが、近年の自主制作ゾンビ映画にありがちなチンケなCGを使わず、特殊メイクだけで首チョンパシーンを再現しているのも好印象だ。避難所を仕切る保安官は、このジャンルの作品なら「死霊のえじき」のローズ大尉のような独裁者キャラとして描くのが定番であるが、その予想を裏切って最後まで仲間思いの熱いキャラとして描かれていたのが意外といえば意外だった。ラスト、どうしようも無いダメ人間だった主人公の弟に、夫婦の希望が託される結末も印象深い。作品の出来としては佳作レベルだが、JVDがリリースしてしまったことが本作最大の不幸であると言える。

 

中学生レベルの英単語を堂々と間違えるJVD 

 

低予算とは思えぬ程のエキストラの数

 

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