ラスト・レジェンド

監督:ジェームズ・アーネット

脚本:ジェームズ・アーネット

原作:メアリー・シェリー

出演:サンティアゴ・クレイグ、テレサ・シェイド、
フリオ・ガルシア、トム・ロジャース

ストーリー

 新種天然痘ウィルスによる、バイオ・テロ発生。致死率は99.9%。生き残った感染者も、凶暴な突然変異体と化す。そして、人類は死滅した。ただ1人免疫を持っていた、ライオネル・バーニーを残して…。荒廃した世界で生き抜くため、ライオネルは非情な戦闘マシーンと化した。ミュータントを虐殺し、“地球浄化”を目指すライオネル。ある日彼は、感染者の群れの中に、かつての恋人エバの変わり果てた姿を発見する。そして…。

レビュー

 ウィル・スミス主演「アイ・アム・レジェンド」に続けとばかりに作られた数々の便乗作の中でもレジェンド級の酷さを誇った超激安映画。リチャード・マシスンの「地球最後の男」を原作とした本家に対抗し、SFの先駆者とも言われているメアリー・シェリーの「最後のひとり」を現代風に解釈という便利な言葉を使って映画化。疫病の脅威により人類が死滅していく話を、ミュータントが襲いまくってくるゾンビ映画にアレンジした結果、「アイ・アム・レジェンド」そっくりの映画になっちゃったけどそれはただの偶然だから!こっちの原作はマシスンよりもずっと古いから!という製作者のアホみたいな言い訳が聞こえてきそうな何とも困った映画である。

 内容は「アイ・アム・レジェンド」をとにかくチープにしたロクでもない代物。主人公が無人の街を車で走るシーンは、早朝のロケで寝坊でもかましたのか、セガ・サターン初期のソフトを彷彿とさせる冗談みたいなフルCGの映像で処理されているし、感染者の家にガソリンを撒くシーンも、ロケ地に水を掛ける許可すらも貰えなかったのか、主人公が空のポリタンクを振り回しているシーンにバシャバシャッ!という効果音が入る。BGMに至っては今まで音楽なんて作ったことも無い人が急に作曲を頼まれたが断り切れずにヤケクソになって作ったような精神を不安定にさせる不快な曲が流れ続ける。今までにない強烈な映像を体験出来るという意味では必見だが、これが2時間以上も続くのだから立派な拷問である。クライマックスの主人公vs感染者軍団の銃撃戦はまさに無間地獄で、実際に計測はしていないが恐らく20分ぐらいは延々撃ち合っていたと思う。長い。すごく長い。

 しかし、本家本元の「アイ・アム・レジェンド」の結末は配給会社の意向で原作無視のクソみたいなハッピーエンドになってしまったのに対し、こちらはマシスンの原作を意識して善悪の逆転を描いたものになっている点は唯一評価出来るかもしれない。新人類を生み出す為に感染者との性行為を強制させられ、子供を産める女感染者を皆殺しにする展開は主人公の残虐性にゾッとさせられるし、人類の歴史に幕を下ろした己こそが怪物であると自覚し、自責の念に駆られるエンディングも中々に印象深いので、結末だけは本家を超えたといえよう。それ以外は壊滅的にダメだけどな!

 

衝撃的なCG映像。いきなりこんな画面に変わる

 

感染者の女とセックスするべきか否か。悩む主人公

 

 

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