ドリームキャッチャー

監督:ローレンス・カスダン

脚本:ローレンス・カスダン、ウィリアム・ゴールドマン

出演:モーガン・フリーマン、トーマス・ジェーン、
ジェイソン・リー、ダミアン・ルイス、トム・サイズモア

ストーリー

 少年時代、ある秘密を共有するこいとで固い絆で結びついた4人の男たち。その20年後。毎年恒例のハンティングのため、彼らは雪深い森の狩猟小屋で再会を果たす。しかし旧交を温める彼らの周りで、説明不能の出来事が次々と起こり始める。そして想像を絶する恐怖が4人を襲うのだった…。

レビュー

 スタンド・バイ・ミーな少年時代に不良から救った知的障害児によって「相手の考えてることが(分かりたくないのに)分かる」「探し物が見つかる」「記憶を別の場所に保管出来る」「悪いことが起こりそうになると胸騒ぎ(だけ)がする」という微妙過ぎる超能力を授かったオッサン4人組と、お腹の急降下と共にケツから生まれて立ちションベンを滝登りしながらチンポに食らいつくお下劣エイリアンとの戦いを描いたSFホラー。ショーシャンク刑務所を仮出所してメキシコに行った筈のモーガン・フリーマンが、ここでは長年エイリアンと戦い続けて完全に頭がおかしくなったキチガイ軍人の役で登場しているのがキング映画ファンとしては興味深いポイント。

 小説はキングの巧みな表現能力によって思わず引き込まれるほど面白いのに、映像化した途端「この話はこんなにもくだらないものだったのか!」となるのはキング映画のあるあるネタであるが、本作もご多分に漏れず概ね原作通りの内容なのにも関わらず画面から発せられるバカ映画エナジーが尋常ではない。エイリアンに寄生された人間がオナラとゲップを連発する姿や、エイリアンを自分の尻の下の便器に閉じ込めることに成功した登場人物が、トイレの床に落とした爪楊枝がついつい気になってしまい、誘惑に負けて尻を上げたばっかりに食われて死んでしまう展開などはギャグ以外の何物でもなく、エイリアンの姿を一切見せずに「見たことを後悔する恐怖」というおぞましい言葉で煽りまくっていた詐欺予告からは想像も出来ないバカ映画になっている。

 そもそも、原作からして交通事故で死にかけたキングが入院中に痛みを紛らわす為に書いたヨタ話なので、キングの大好きな下ネタがテンコ盛りなのも今にして思えば納得出来るというもの。登場人物の1人が冒頭で「ファイナル・デスティネーション」的な唐突さで車にはねられる展開も、キングの遭遇した事故の経験が活かされているというのは有名な話だ。尚、キングを轢いてしまったドライバーは、翌年のキングの誕生日に謎の死を遂げており、こうなると小説よりもこのオッサンの存在そのものがホラーなんじゃねーかと思ってしまう。

 ラストは原作から大胆に改変され、主人公たちに超能力を授けた知的障害のダディッツが何故かクリーチャーに変身。エイリアンを取り込んで盛大に自爆し、全てが丸く収まる意味不明な結末となっている。ダディッツも別の星のエイリアンだったのだろうか?という疑問。そして、そんな凄い力があるなら最初から自分で何とかしろよという凄まじい脱力感を誘発させる何とも印象深いラストだと思う。

 

キングの実体験を活かした衝撃的な交通事故シーン

 

完全に理解の範疇を超えたラスト

 

 

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送