バトルガール
Tokyo Crisis Wars

監督:ガイラ

脚本:芹沢大助

出演:キューティー鈴木、ケラ、早瀬恵子
 大槻ケンヂ、デビル雅美、神取忍

ストーリー

 19XX年、隕石の落下の影響により東京湾は壊滅状態になった。さらにコスモ・アンフェタミンと呼ばれる謎の物質が東京を包む。この物質に犯されると、人間は死後ゾンビと化してしまう運命を背負うことになるのだ。事態を重く見た陸上自衛隊の桐原哲男は、少女傭兵K子こと娘の慶子に東京潜入を指示する。ゾンビの群れが渦巻く中、彼女はバトルスーツを入手する。戦いに赴く慶子を、武器を使用する新たなゾンビが襲った。実は父の代理で指揮をとっていた男・藤岡は、コスモ・アンフェタミンを大量投与することによりゾンビでも人間でもないニュータイプを生産しようとしていたのだ。果たしてK子は藤岡の野望を阻止できるのか…?

レビュー

 バトルスーツに身を包んだヒロインが東京に溢れるゾンビと対決するという非常に香ばしい内容ながらも、伊藤明弘がコミカライズ版を手掛けたり、本作品を3Dシューティングゲーム化して冨永みーなが声優を務めた「電脳少女リジェクション」がPCソフトで発売されたりと、大胆なメディアミックスが展開されたことでも一部では有名。尚、映画本編のバトルスーツは出渕裕がデザインしているが、彼のウィキペディアのフィルモグラフィーに本作品のタイトルが掲載されていないことに憤りを感じているのは世界中で自分だけであろう。

 監督は和製スプラッターの先駆者であるガイラであるが、完全に雇われ監督として本作品を撮っているので、スプラッター要素なんてものはほとんどなく、恐らく誰が監督してもこの程度の出来になったであろうことは容易に想像が付く。ヒロインを演じているのが女子プロレスラーのキューティー鈴木であり、彼女のリングアウト寸前の大根芝居が物語の緊張感をジャーマンスープレックスばりに放り投げてくれるので、いくら特撮が凝っていても映画の出来としては問答無用で最低レベル。人間をゾンビ化させる物質を利用した生物兵器も女子プレスラーが演じており、プロレスラー同士の対決シーンこそが本作最大の見せ場になるべきなのだろうが、あまり派手に動くと高い金払って作った衣装が壊れるせいか、まるで本番前のリハーサルのようなモッチャリとした動きでアクションをこなす。誰かタオルを投げてくれ、と本気で思った。

 とはいえ、霧に包まれた東京にゾンビが溢れるシチュエーションは相当グッと来るものがあり、檻に閉じ込められたゾンビの群れをヒロインが手榴弾で一掃する間際、一瞬だけ生前の人間だった頃の姿が写し出される秀逸なカットがあったりと、実は嫌いになれない作品だったりもする。「GANTZ」を先取りしたかのようなヒロインのバトルスーツも結構イケてるので、ちゃんとした女優でリメイクしたら本気で面白い作品になるような気もする。ちなみに、本作品には続編が存在しているが、撮影途中に何かトラブルでもあったのか未完成のフィルムに無理矢理「ゾンビ殺人講座」なるものをブチ込んで3本の「ハウ・トゥ・キル・ゾンビーズ」という名のビデオ作品にした酷過ぎる代物になっており、監督はアラン・スミシー名義となっている。

 

 

バトルスーツに身を包む大根ヒロイン

 

 

実は大槻ケンヂも登場している(すぐ死ぬ)

 

 

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