新・死霊のはらわた

監督:J.R.ブックウォルター

脚本:J.R.ブックウォルター

制作総指揮:サム・ライミ

出演:ピート・フェリー、ボグダン・ぺシック、
マイケル・グロッシ、ジョリー・ジャックナス

ストーリー

 謎のウィルスにより蔓延するゾンビを殲滅するために結成された特殊部隊「ゾンビ・スクワッド」。リーダーのライミは、際限なく増殖していくゾンビと終わりなき戦いを繰り返す日々を送っていた。ある日ライミは、ボグ博士がゾンビを滅ぼす血清を研究していることを知り、博士のもとへと向かう。しかしすでにボグ博士の姿はなく、ライミはゾンビを神の使いと信じるカルト教団に狙われることに…。

レビュー

 ゾンビが支配する世界で、ゾンビを撲滅する為に結成された特殊部隊の戦いを描いた、ライミの「死霊のはらわた」とは何ひとつ関係の無い8mmの自主制作映画。レンタルビデオ屋に陳列されているVHSのジャケットには“サム・ライミ制作総指揮”という宣伝文句がデカデカと書いてあるが、これはただ単にゾンビ映画を撮りたがっていた貧乏な映画青年にライミが資金援助をしただけの話。その甲斐あってか、そこらの自主制作ゾンビ映画とは一線を画した本格的な特殊メイクが随所で見られ、ゴアシーンだけに焦点を絞れば非常に見応えのある作品に仕上がっている。

 ストーリーはロメロの「死霊のえじき」を大いにリスペクトというよりも完全にパクっており、そこにゾンビ人権保護団体やゾンビを神の使いと崇めるカルト教団を登場させて僅かなオリジナリティ要素を出している。ただ、所詮は自主制作なので、ゾンビの大群が行進する脇の道路で普通に車がビュンビュン行き交うような貧乏な終末世界が終始描かれる。ゾンビ1体に対してやたらと手榴弾を使いたがるバカや、かなり仕様も無い不注意で噛まれるバカがあまりに多すぎな特殊部隊の無能な戦いっぷりにも首を傾げるばかりで、特殊部隊vsゾンビというシチュエーションの割には期待するようなビジュアルが一切見られないのも少々肩透かしであった。

 だが、荒い8mmのザラザラとした映像は、昨今主流になっているビデオ撮りで妙に鮮明な自主制作ゾンビ映画にはない一種の趣があり、映画の雰囲気を盛り上げるのに一役買っている。救いは一切無いが洒落の利いてるオチも面白く、大したオチも無い上に下ネタ満載の「ミートマーケット」のブライアン・クレメント監督は様々な意味で本作を見習うべきであった。

 

ゾンビを神の使いと崇めるカルト教団

 

ライミ先生による資金援助のおかげで内臓引きずり出しもバッチリ!

 

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