GANTZ
PERFECT ANSWER

監督:佐藤信介

脚本:渡辺雄介

原作:奥浩哉

出演:二宮和也、松山ケンイチ、
吉高由里子、本郷奏多、伊藤歩、山田孝之

ストーリー

 玄野の幼馴染である加藤と、これまでの戦いを共にしてきた岸本は、おこりんぼう星人との死闘の中で命を落としてしまう。大きな悲しみの中で生と死を実感した玄野は、ガンツの“100点メニュー”で加藤を生き返らせることを心に誓い、鈴木ら他のメンバーと共ににミッションを戦い続けていた。一方現実の世界では、玄野と玄野を一途に想い続ける同級生の多恵が一人残された加藤の弟を、寄り添いながら支えていた。ガンツの世界が熾烈を極めるにつれ、3人で過ごす穏やかな時間は玄野にとってかけがえのないものになっていった。

 ある日、トップモデルである鮎川の元に、ガンツをそのまま小さくしたような真っ黒な謎の球体が届く。不気味に思って処分するものの、翌朝目を覚ますと「きのうの夜はおつかれちま」と文字を点滅させている。球体の指示によって、無意識のうちにターゲットの人間を殺しガンツ部屋に送っていたのだ。動揺する鮎川だったが、彼女を含めガンツ部屋に送られた人間は皆、以前ガンツに召喚され、100点めにゅーで開放された卒業生だった。この優秀なメンバー達の復活により、心強い仲間を得た玄野は順調に得点を重ねていく。

 しかし100点を目前にしたところ、突然死んだはずの加藤が玄野の自室の前に現われる。不可解な状況の中、ガンツメンバーの周囲を嗅ぎまわる謎の男も出現。更に黒服星人のミッションでは、これまでにクロスすることのなかった現実世界で、多数の一般人を犠牲にしながら残忍なバトルが行われる。ガンツの異変を感じ取ったメンバーは、まず鈴木の100点めにゅーで死亡者リストに残ったままの加藤を復活させる。やはり玄野に会いにきたのは加藤の姿をした星人だったのだ。次に、玄野の100点めにゅーで生き返らせたのは西。ガンツの世界に誰よりも精通している彼に、このガンツの異変の助言を求めたのであった。

 そして、不穏な動きを始めたガンツが次にターゲットに選んだのは、星人ではなく玄野の一番大切な人、多恵だった。今まで共に戦ってきたはずのメンバーにも、多恵を倒すだけで100点貰えると知ると生きて戻るために多恵を倒そうとする者も現われ、玄野は多恵を守るために、ガンツメンバーと残忍な対峙を強いられることになる…。

レビュー

 「GANTZ」の後編にあたる作品。言いたいことは色々あったが、概ね原作漫画通りに進行していた前作と違い、今回は完全オリジナルストーリーな上、副題にもある通り原作でも解明されていない数々の謎に対してパーフェクトアンサー(完璧な答えを出すと謳った制作者自ら無茶苦茶ハードルを上げてしまった作品である。 

 完全オリジナルと言いつつも、吸血鬼が黒服星人という名で登場していたり、玄野の彼女である小島多恵がターゲットになるミッションや、ガンツ卒業生が小さな黒玉からの指示で通り魔殺人を行うといった展開等、原作からのつまみ食いがほとんどであるが、原作では僅か数ページで終わっていた電車での戦闘がスケールアップされて描かれているのは面白かった。電車内の狭さを活かしたアクションシーンも実に見応えがあり、本作最大の見所と言っても過言では無い。だが、逆に言えば良かったのはそれぐらいで個性的な魅力を放つ異形の星人が不在で、人間に擬態する星人や敵対するガンツチームとの戦いに終始する展開は、大いに肩透かしを食らわされた。

 前作の仏像ミッションで感じた違和感が延々2時間続くかのようなストーリーはとにかくボロボロで、とてもでは無いが観客に完璧な答えを提示しているとは言い難い。特に理解に苦しむのが終盤、前作でスルーされた千手観音がメンバーに擬態し、ガンツ部屋に乗り込むや否やガンツ玉に透明な液体を浴びせると謎の大爆発が起こりマンションが半壊、でもガンツ玉はそのままというシークエンス。原作を読んでいれば、岸本を溶かした強烈な溶解液をもってしてもガンツ玉は壊れなかった!ということが分かるが、前作の岸本の死因は刀による刺殺であり、溶解液そのものが画面に1秒たりとも登場していないので、原作未読の者には全く意味の分からないシーンになってしまっている。

 散々引っ張った山田孝之演じる謎の男が最後の最後まで謎の男で終わるのはパーフェクトクエスチョンだったし、玄野がガンツ玉の中の人になることで星人との戦いに終止符が打たれる結末も、じゃあ今までの戦いは何だったのよ?というスッキリとしないモヤモヤ感が残る。とにかく今回の映画に関しては残念な出来としか言い様が無く、もしまた実写化の機会に恵まれたとしたら、ここは是非西村映造制作で原作通りのエログロナンセンスな怪作を期待したい。

 

 

     原作の吸血鬼は黒服星人として登場          電車内でのバトルは映画最大の山場

 

   

  問題の溶解液。原作未読だと完全に意味不明       謎の男、重田の正体は最後まで謎のまま…

 

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