ゾンビ・クロニクル2

監督:ニック・ライオン

脚本:クレイグ・エングラー、ブルックス・ペック

出演:ヴィング・レイムス、タリン・マニング、
ジョニー・ペイカー、ゲイリー・ウィークス

ストーリー

 20XX年、ヨーロッパを滅亡させたVM2ウィルスが北米に上陸。アメリカは瞬く間に、ゾンビが支配する死の国へと姿を変えた。ラモナたち生存者のグループは、西海岸を目指す旅に出る。ロサンゼルスの沖に浮かぶカタリナ島に、避難所があるという噂を信じて。ヘンリーたちのグループと合流し、ゾンビの大群と戦い、愛する仲間を1人また1人と失いながら、果てしなく続く地獄の旅。ついに彼らは、カタリナ島への連絡船が出ているというロス港に到着。そこでラモナたちを待ちうけていた、恐るべき運命とは…?

レビュー

 「REC」「ダイアリー・オブ・ザ・デッド」など、近年のゾンビ映画では1人称視点のPOV作品が流行になっているが、そんな流行から生み出された作品の1つに「エスケイプ・フロム・リビングデッド」という秀作があった。しかし、例によってアホな日本のビデオ会社は、「エスケイプ〜」の続編のリリースの際に「ゾンビ・クロニクル」という見当違いの邦題を付けてしまった。話はそれだけでは終わらない。調子に乗ったビデオ会社は、今度は「エスケイプ〜」とは全く関係の無い低予算ゾンビ映画に、あろうことか「ゾンビ・クロニクル」の続編であるかのようなナンバリングタイトルを冠して日本に放ったのだ。それが本作「ゾンビ・クロニクル2」である。

 前置きが長くなったが、つまり本作は「エスケイプ〜」とも「ゾンビ・クロニクル」とも無関係な、全くの独立した低予算ゾンビ映画なのである。話の筋は、ゾンビ・パンデミックの起こった世界で生き残った生存者が、安全な孤島を目指して旅をするという、この手の映画を好んで観ている人にとっては「またかよ…」と言いたくなる程の既視感に襲われること必至なストーリー。劣化版「ドーン・オブ・ザ・デッド」とも言えるが、注目すべきは「ドーン・オブ・ザ・デッド」で警官役を演じていたヴィング・レイムスが、本作でも似たような役柄で出演しているということ。恐らく演じている本人も(俺、確か数年前も似たような映画に出てたよな?)と自問自答していたであろうことは想像に難しくない。というか、この俳優は「デイ・オブ・ザ・デッド」にもローズ大尉役で出演していたので、何かとゾンビとのド突き合いには縁のある俳優といっても過言では無いだろう。

 似たような物語は、長いゾンビ映画の歴史を見ても腐る程あることは製作者も承知だったのか、本作では様々な箇所でオリジナリティを見せている。その代表格ともなっているのが、オーソドックスなノロノロと歩くゾンビと、近年主流の猛ダッシュゾンビが混在する世界観だ。一見してどちらのタイプのゾンビが判断が付かないのがスリル満点だし、「ウォーキング・デッド」の“ウォーカー”ならぬ“ランナー”という名称が付いているのも洒落が利いていて面白い。また、人間だけでなく動物もゾンビ化の対象となるようで、やめておきゃ良いのに「バイオハザード」を彷彿とさせる犬のゾンビや虎のゾンビまでもが、低予算ならではの残念なCGで登場する。作品のクオリティを大幅に下げてまでオリジナリティを出そうとしたスタッフたちの心意気や良し、といった感じだ。虎ゾンビ、発想は嫌いじゃないぜ。

 

ゾンビも見慣れたであろうヴィング・レイムス

 

ラスボスとして君臨するゾンビ・タイガー。出オチ感ハンパ無い

 

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