山形スクリーム

監督:竹中直人

脚本:継田淳

出演: 成海璃子、AKIRA、マイコ、
竹中直人、桐谷美玲、紗綾、波瑠

ストーリー

 山形県の山村に、東京から女子高生の一団がやって来た。村おこしのための落ち武者キャンペーンに先生が誘われ、連れてこられたのだ。平家の落人がこの村で殺されたという悲劇も、彼女たちには知った事じゃない。ところが祠が倒された事から、死者の霊が蘇ってしまう。死霊たちは過去の恨みから村人達を次々に惨殺。しかし平家の侍頭が愛した人と、女子高生のひとりである美香代が瓜二つだった事から、美香代は亡霊たちに追われ…。

レビュー

 個人的な話で大変恐縮だが、私は「狗神」や「案山子」「奇談」などといった日本の寒村を舞台にしたド田舎ホラーが好きである。他にも、「バトル・ロワイアル」「片腕マシンガール」のような戦う女子学生が出てくる映画も燃えるし、更に言えばゾンビが登場する映画にも目が無い。つまり「ひぐらしのなく頃に」ゾンビが出ていれば完璧だったワケだが、何とこれらの条件を全て満たした奇跡ともいえる映画が2009年の夏に彗星の如く現れた。惜しむらくは、竹中直人が監督なので、全編ゆる〜いコメディテイストでムードもへったくれも無いことであるが、この人は「ブレインデッド」のビデオのパッケージ裏に推薦文を書くようなこっち側の人間なので、要所要所でホラー映画ファンのツボを突くような展開を用意しているのが嬉しい。

 蘇った落武者ゾンビは口から蛍光色のゲロを吐き、それを浴びた犠牲者も落武者みたいに髪の毛がボーボーに伸びてゾンビ化する設定は、同じような設定でありながら伝染性の要素が皆無だった「鎧 サムライゾンビ」よりもゾンビ映画らしいし、落武者ゾンビらが群れをなして行進してくる終盤の地獄絵図は、描かれ方はコミカルではあるものの結構不気味である。また、メカオタクの眼鏡っ娘が携帯電話を光線銃に改造してゾンビ退治したり、仲間思いの不良娘がチェーンソーを手に強敵と一騎討ちしたりと、対抗する女子高生達が全員魅力的に描かれているのも良い。最初は逃げ回っていた彼女らが終盤、農具を手にとり武装トラクターに乗り込んでゾンビの波を掻き分け突撃してく様は正にド田舎版「ドーン・オブ・ザ・デッド」といった感じで最高の名シーンであった。

 「制服サバイガールT」では呆気なく忍者ゾンビの餌食になっていた紗綾が、本作ではビーム!と叫びながらケータイ光線銃でゾンビを陽気に撃退していたり、逆に「鎧 サムライゾンビ」で侍ゾンビとの激闘に勝利していた荻野目慶子が、本作では蛍光色ゲロを浴びて速攻で退場していたりと、和製ゾンビ映画を追い掛けている人には中の人ネタも楽しめる作品になっている。是非、本作の鑑賞前にはこの2作品をチェックしておいて欲しい…って、無茶苦茶ハードルの高い要求だな、コレ。

 

 ケータイを光線銃に改造してゾンビ退治とか斬新すぎ!

 

チェーンソーで落武者ゾンビと一騎討ち

 

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